神経管閉鎖時は一層の外胚葉シートが、将来の皮膚である表皮外胚葉と神経細胞とに分化決定され、両者が分かれて管状となり完了する。しかしながら、それら決定時に必要な分子機序について殆ど解明されていない。そこで我々は、神経管閉鎖時の表皮と神経への運命決定機構を解明することを試みた。結果、神経管が閉鎖する時期に未分化性を維持した細胞群が存在することが明らかとなり、さらにこれら未分化細胞はカノニカルWnt経路によって表皮細胞へ、逆に拮抗因子によって神経細胞へと運命決定が成されることがわかった。また、表皮細胞への運命決定にはカノニカルWnt経路の下流でGrhl3因子が働いていることも明らかとなった。
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