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2014 年度 実施状況報告書

精神神経疾患におけるクロモグラニンの機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25461722
研究機関公益財団法人神経研究所

研究代表者

飯嶋 良味  公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (70574648)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード精神神経化学
研究実績の概要

私は、これまでの研究によりクロモグラニンB遺伝子(CHGB)のアミノ酸置換を伴う変異が、統合失調症を初めとする精神疾患と有意に関連することを発見した。また、クロモグラニンファミリータンパクは、ストレス負荷、特に精神的負荷により放出されるため、測定指標として実用化されている。前年度私は、一般被験者における各自のストレス状況、コーピング処方と血中CHGB濃度との評価を行い、血中CHGB濃度と統合失調症との関連、およびストレス症状との関係性を示した。本研究の目的の一つは、chgb-KOマウスの作製と行動学的解析を行い、CHGB遺伝子の精神神経系への影響を解明する事である。行った解析は、自発的運動量の測定、 PPIテスト、zero迷路である。一次解析の結果、PPIテストにおいてはchgb-KO個体において変化が認められたが、いずれのテストにおいても、有意差には至らなかった。
CHGBは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患において、異常凝集タンパクと共存し、病態の進展と増悪に関与することが示唆されている。そこで、ALS病態におけるCHGBの直接的な影響を検討するべく、 ALSモデルマウスとして確立されているヒト変異型SOD1-Tgマウスとchgb-KOマウスとの交配実験を行った。前年度、ヒト変異型SOD1-Tg雄マウスと、chgb-KO雌マウスとの交配を進め、 ヒト変異型SOD1-Tg(+)/chgb(+, -)雄個体、および、変異のないヒトSOD1-Tg(+)/chgb(+,-)を用意し 、生存日数の比較とRotalodテスト、後肢伸長反応の観察を行った。一次解析では、いずれの項目についてもchgb-KO個体において改善傾向が見られたが、有意差までは至らなかった。現在、追加解析と結果の検討を行っている。今後は、採取保存している脳、脊髄、筋肉を用いて、組織学的検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度途中に所属先が変更となり、新所属先での研究環境のセットアップを行った。研究方法を大幅に変更し、データ解析を中心に行ったが、十分な結果を出すまでには至らなかった。

今後の研究の推進方策

(1)chgb-KOマウスの行動解析については、追加実験の結果を加え、解析を行う。さらに、脳内でどのような変化が 起こっているかを、採取保存している脳組織を使い、組織学的手法により検討を行っていく。
(2)ヒト変異型SOD1-Tg(+)/chgb(+, -)雄と、変異のないヒトSOD1-Tg(+)/chgb(+,-)を用いて、ALS病態におけるchgbの影響を見る実験については、繁殖および個体数の確保に時間を要したが、今後は引き続き運動協調性についてRotalodテストによる評価、 後肢引き延ばし反応を見る実験を行い、また、動物愛護の観点から実験のエンドポイントをマウスが30秒横たわったまま起き上がれなくなったときと定め、コントロールマウスとの生存期間比較を行い、追加解析を実施する。さらに、脳、脊髄、筋肉での変化を組織学的手法を用いて検討する。

次年度使用額が生じた理由

本年度、所属施設を移動したため、新たに研究環境の整備、および研究方法の変更を行う必要があったが、不慣れのためうまく発注計画ができず、一部の発注納品が年度内に完了しなかったため。

次年度使用額の使用計画

当該年度予算についての発注が遅れ、納品が一部年度を超えてしまったが、物品購入は計画通り進行し、新年度早々に納品完了の見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TPH2遺伝子と日本人統合失調症との2段階関連解析2014

    • 著者名/発表者名
      布川綾子、渡部雄一郎、飯嶋良味、他
    • 学会等名
      第36回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      奈良県 奈良市
    • 年月日
      2014-09-29

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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