研究課題
統合失調症の発症に大きな効果をもつ稀なリスク変異を同定することが、本研究計画の目的である。複数の罹患者がいる家系には統合失調症の発症に大きな効果をもつ稀なリスク変異が存在する可能性が高い。そこで、統合失調症罹患同胞対・両親の全エクソン解析を実施し、罹患同胞2人が共有する稀なナンセンス変異またはフレームシフト変異を4個同定した。これら4個の変異については、直接シーケンス法により全エクソン解析データが再現された。これら4個の変異が、特定の家系のみでなく一般に統合失調症の発症リスクに大きな効果を有していることを確認するため、複数の症例・対照サンプルを用いた多段階関連解析を行っている。1次サンプルは、DSM-IVにより統合失調症と診断された患者674人(男性361人・女性313人、平均年齢39.9 ± 13.8歳)および対照者667人(男性341人・女性326人、平均年齢38.3 ± 10.8歳)である。全エクソン解析により同定された4個の稀なナンセンス変異またはフレームシフト変異をTaqMan法によりタイピングした。いずれの変異も患者群に多く認められが、統合失調症との関連は有意でなかった。2次サンプルは、患者731人(男性377人・女性354人、平均年齢53.0 ± 14.9歳)および対照者777人(男性364人・女性413人、平均年齢53.9 ± 18.5歳)である。1次サンプルで患者群に多く認められた4個の変異をタイピングしたところ、いずれの変異も患者群に多く認められが、統合失調症との関連は有意でなかった。
3: やや遅れている
統合失調症罹患同胞対・両親の全エクソン解析では、稀な新生変異の同定を目指していたが、直接シーケンス法により全エクソン解析データが再現できず、当初の計画を変更する必要が生じたため。
2次サンプルで患者群に多く認められた変異を3次サンプルでタイピングし、統合失調症との関連を確認する。
全エクソン解析の外部委託費を当初の予定よりも圧縮するなどできたため。
3次サンプルをタイピングするためのプローブや試薬にあてる。
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新潟医学会雑誌
巻: 128 ページ: 7-12
新潟県医師会報
巻: 776 ページ: 2-7