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2015 年度 実績報告書

創造性が高齢者の脳機能に及ぼす影響-脳波の非線形解析を用いた統合的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 25461754
研究機関福井大学

研究代表者

上野 幹二  福井大学, 医学部, 助教 (50600152)

研究分担者 高橋 哲也  福井大学, 保健管理センター, 准教授 (00377459)
水上 喜美子  仁愛大学, 人間学部, 准教授 (00387408)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード創造性 / 脳機能 / 高齢者 / 非線形解析
研究実績の概要

本研究の目的は、高齢者における創造性が脳生理機能に与える影響を、脳波の非線形解析を用いて脳内ネットワークの観点から評価することで、健常高齢者における創造性の神経生理学的基盤を解明することである。
健常者をリクルートし、脳波の計測や心理検査を行った。脳波の非線形解析(MSE値を算出)、創造性指標(S-A値)および知能指数(IQ値)を算出し、これらの関連性を統計解析ソフトを用いて検討した。その結果、創造性の高い群では、前頭部、中心部、頭頂部および側頭部における低周波数帯域でのMSE値が高値を示すことを解明した。また、これらの脳部位において、創造性指標と低周波数帯域でのMSE値の間に正の相関関係を認めることが示唆された。一方で、知能指数とMSE値との間には、有意な関連性は認められないことを解明した。以上より、高齢者における創造性の神経生理学的基盤として、低周波数帯域における脳波の複雑性の増加が関連することが明らかとなった。一般的に低周波数帯域における脳波活動は、広汎な脳内ネットワークの活性化と関連するとされており、高い創造性は、広汎な脳内ネットワークの活性化に影響を及ぼしている可能性が示唆された。さらには、高い創造性に伴う脳波の複雑性の増加は、加齢を防ぐ効果をもたらし、老年期精神障害の発症予防に繋がっているのかも知れない。
これらの結果を既存の文献と照らし合わせて考察し、詳細にまとめた上で、海外雑誌にアクセプトされた。
最終年度は、当初の計画どおり、30歳以下の若年者を対象とした研究をさらに進め、高齢者と若年者とにおいて比較検討し、創造性の高さが生来的に備わった特性か創造的活動を通して後天的に獲得できるものなのかを明らかにしようとている。また、これまでの成果をまとめ、世界精神医学会(Taipei、平成27年11月)にて、シンポジストとして講演するなど行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Neurophysiological basis of creativity in healthy elderly people : a multiscale entropy approach2015

    • 著者名/発表者名
      Ueno K, Takahashi T, Mizukami K, Tanaka Y, Wada Y.
    • 雑誌名

      Clinical Neurophysiology

      巻: 126 ページ: 524-531

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.clinph.2014.06.032

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Neurophysiological basis of creativity and mental disordersusing nonlinear approach2015

    • 著者名/発表者名
      Ueno K.
    • 学会等名
      WPA International Congress of Psychiatry
    • 発表場所
      Taipei
    • 年月日
      2015-11-21 – 2015-11-21
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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