研究課題/領域番号 |
25461757
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
植木 啓文 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (60232732)
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研究分担者 |
飯田 真美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (80350859)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ニコチン依存 / 耳介電気刺激 / 副交感神経 / バレニクリン |
研究実績の概要 |
26年度は25年度で確認された耳介電気刺激の副交感神経に対する効果をもとに、臨床的にニコチン依存症の治療効果を確認することを目的とした。そのため、1)耳介電気刺激のみを定期的に与えるA群、2)通常のバレニクリン治療のみを受けるB群、3)耳介電気刺激とバレニクリン治療の両方を受けるC群、の3群(それぞれ10名前後)を設定し、それぞれの群の禁煙率、ニコチン依存度調査、種々の心理的テストバッテリーを使用した心理面での評価などを測定した。 A群では11名がプロトコールを終了した。その内の3名においては刺激最終回時点で完全禁煙が達成できた。他の5名においては喫煙本数の50%以上の減少を認めた。残りの3名では喫煙本数の減少は認められなかった。前二者を合わせた8名においては、心理的テストバッリー面で、抑うつ度、および、自己コントロール感において有意の改善が認められた。 B群では現時点で6名がプロトコールを終了した。その内の4名においては経過観察終了時点で完全禁煙が達成できた。他の2名では喫煙本数の50%以上の減少を認めた。心理的テストバッテリー面で、抑うつ度、および、自己コントロール感において有意の改善が認められた。A群の禁煙維持率はB群のそれに匹敵する可能性が示唆された。現在、B群の追加対象者、および、C群の対象者のリクルートを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)耳介刺激群は当初の予定どおり10例以上のリクルートが可能であった。 2)バレニクリン治療群は6名がプロトコールを終了し、現在さらに3例がエントリーして経過をフォローしている段階である。この群は間もなく予定数に達すると思われる。 3)耳介刺激とバレニクリン治療の両方を受ける群を設定する予定であったが、対象者の時間的な制約・負担が大きくなることから、対象者をリクルートできていない。 以上のことより、耳介刺激とバレニクリン治療の両方を受ける対象者をリクルートすることに支障が生じ、当初の計画よりも研究進捗度は遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
1)耳介刺激とバレニクリン治療の両方を受ける群のリクルートを再度強化する。本研究の意義を十分に説明し、研究参加意欲を高め同意を得る努力を重ねる。 2)介入終了直後のみならず、介入終了後6か月の時点での、中期的な禁煙維持率も比較したい。 3)禁煙維持率だけでなく、心理面での変化にも重点をおいて比較検討したい。 4)平成25年度で得られた耳介刺激による副交感神経量の変化、および、平成26・27年度で得られた結果をもとに、いくつかの関連学会で成果を報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者のリクルートが当初の計画通りに進まず、謝金分として助成金の未使用分が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度前半において対象者をリクルートし、研究謝金として支出する予定である。
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