研究実績の概要 |
平成25年度は、新入生を除いた大学生20133名に対して睡眠に関する調査を行った。平成26年度は、前年度解析することができなかった学部新入生3429名(男性2345名、女性1084名)の生活習慣に関するデータを統計解析し、睡眠と生活習慣の関係を明らかにした。調査の結果、平日に24時以降に就寝する学部新入生は2073名であり、61.3%(欠損45名)であった。他方、平日の起床時刻が10時以降の学部新入生は36名であり、1.1%(欠損39名)であった。前年度解析した大学学部生と大学院生の15736名においては、12432名(79%)の学生が24時以降に就寝しており、起床時刻が午前10時以降の学生は813名(5.2%)であったことから、入学後学年が進むにつれて遅寝遅起きになり睡眠相が後退することが明らかになった。 さらに、大学生における不眠と生活習慣について調査を行うため、平成26年度の新入生を除いた大学生15038名(学部・大学院生)において「眠れない」と回答した学生のうち、「眠れないため日常生活に支障を来している」と答えた学生161名(1.1%)を、不眠をもつ学生として統計的解析を行った。その結果、年齢(OR = 1.047, P = 0.004)、授業以外に費やす勉強や読書の時間(OR = 1.147, P = 0.020)、朝食の欠食(OR = 1.209, P = 0.014)、昼食の欠食(OR = 1.682, P < 0.001)、夕食の欠食(OR = 1.597, P = 0.012)、喫煙習慣(OR = 1.206, P = 0.049)が不眠と関連することが明らかになった。 この2年間は横断的な調査報告であるが、今後はデータを対応させ継時的な変化を明らかにするために縦断的な解析を行い、夜型化・不眠と睡眠不足・過覚醒の関係等を検討していく予定である。
|