今後の研究の推進方策 |
今後も、当初のプロトコールに従い、研究遂行を継続していく。健常者、統合失調症および気分障害患者。クロザリル服用患者。電気けいれん療法施行患者。iNPH。てんかん患者については全般てんかん、局在関連てんかんを対象とする。 【検査方法】Magstim 200スクエア、8の字コイルを使用し優位半球の一次運動野に検査刺激を与える。バイスティムトレーサー・ソフトウェアにて刺激条件をコントロールする。刺激部位と対側手の第一背側骨間筋(FDI)より筋電図を測定し大脳の誘発反応を記録する。①治療開始前と2か月後で測定。必要に応じて治療期間中に複数回の測定を行う。特発性正常圧水頭症では髄液排除試験前後、シャント手術前後に検査を行う。健常者においては原則、検査は一回とする。②磁気刺激検査パラメータ:運動閾値、CSP、SICI、ICF、LICI。③臨床評価:全例で評価する項目として、脳波、脳磁図、認知機能テスト(WAIS-III,WMS-R,TMT,MMSEなど)を用い、けいれんのリスクと認知機能への副作用を治療前後で評価。統合失調症・クロザピン服用患者では、治療前後にPANSS, CGIを評価し、治療効果判定の尺度とする。電気けいれん療法施行患者では、治療前後にHAMD, PANSS, CGIなど疾患に応じた臨床症状を評価し、治療効果判定の尺度とする。てんかん患者では、治療前後で発作頻度、脳波所見、薬物血中濃度を評価し、治療効果判定の尺度とする。iNPH患者では、iNPH Grading scale, Timed Up & Go test, MMSEを髄液排除試験前後、シャント術施行前後で評価し、治療効果判定の尺度とする。④安全対策:日本臨床神経生理学会の推奨する基準を超えないように安全性に配慮。けいれんを生じた場合を考慮し、救急処置が可能な大阪大学医学部附属病院神経科精神科病棟内で行う。
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