研究課題
基盤研究(C)
成人のASD 患者群ならびに健常者群に対して行う神経生理学的検査として、安静閉眼時と社会性認知課題施行時の脳波、脳磁図の測定を行い、このデータを元に最適な解析手法の開発を進めてきた。脳波検査に関しては、脳波測定後、オフラインで独立成分分析(Independent Component Analysis: ICA)法を用いて瞬目反射や筋電図などのアーチファクト成分を分離除去した後、δ、θ、α、β、γ の周波数成分ごとの時間周波数解析や、sLORETA 法による電流源密度分布推定とコネクティビティ解析、グラフ理論に基づくSynchronization Likelihood 法による解析を行ってきた。脳磁図検査に関しては、脳磁場測定後、オフラインで各検査により得られた脳磁図波形から眼球運動を補正したのち、周波数成分ごとの時間周波数解析や空間フィルター法による電流源密度推定解析、sLORETA 法によるコネクティビティ解析、グラフ理論に基づくSynchronization Likelihood 法による解析も進めてきた。さらに、成人のASD 患者群と健常者群との間で、あるいは精神障害の有無などで群間比較し、さらに臨床検査や認知機能検査結果との関連も解析していく。
2: おおむね順調に進展している
データに対する最適な解析手法の開発は順調に進んでいる。脳波検査に関しては、脳波測定後、オフラインで独立成分分析(Independent Component Analysis: ICA)法を用いて瞬目反射や筋電図などのアーチファクト成分を分離除去した後、δ、θ、α、β、γ の周波数成分ごとの時間周波数解析や、sLORETA 法による電流源密度分布推定とコネクティビティ解析、グラフ理論に基づくSynchronization Likelihood 法による解析を行ってきた。脳磁図検査に関しては、脳磁場測定後、オフラインで各検査により得られた脳磁図波形から眼球運動を補正したのち、周波数成分ごとの時間周波数解析や空間フィルター法による電流源密度推定解析、sLORETA 法によるコネクティビティ解析、グラフ理論に基づくSynchronization Likelihood 法による解析も進めてきた。さらに、成人のASD 患者群と健常者群との間で、あるいは精神障害の有無などで群間比較し、さらに臨床検査や認知機能検査結果との関連も解析していく。
平成25年度と同様に行い、対象数を増やしていく。臨床検査、認知機能検査、脳波・脳磁図の解析法で新たに有望な方法があれば、研究項目として追加していく予定である。実際の脳波・脳磁図の測定に際して、認知機能に障害のあるASD 患者の中には、健常被験者と異なり、検者の指示を理解できず、種々の認知課題を遂行できない患者も出てくることが予想される。このような場合に備えて、健常者群、ASD 患者群の双方に、練習用に用意する認知課題の試行を行い、脳波・脳磁図の測定前に課題の習熟を図る予定である。また、空間フィルター法、LORETA解析、時間周波数解析、コネクティビティ解析、Synchronization Likelihood 法などの解析により、当初予想された結果が得られない場合には、近年注目されているICA を用いたデフォルトモードネットワーク解析を、脳波・脳磁図の測定データに応用し、脳部位間の相関を解析することにより、ASD 患者群における脳内情報処理の異常を脳内神経回路の時空間パターンとして明らかにする予定である。
当初予定されていた国内学会発表の一つを臨床業務多忙のため中止したため。昨年度出席できなかった国内学会への出張へ充当の予定である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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