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2015 年度 実績報告書

うつ病における嗅覚機能異常に関する研究-fMRIによる病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 25461773
研究機関高知大学

研究代表者

奥谷 文乃  高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (10194490)

研究分担者 藤田 博一  高知大学, 教育研究部医療学系医学教育部門, 准教授 (70380326)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード基準嗅力検査 / パニック障害 / 精神神経疾患
研究実績の概要

うつ病の患者では食欲が低下し、体重が減少することが知られている。「何を食べても砂をかむようでおいしくない」といった訴えが珍しくなく、味覚・嗅覚機能の異常を来している可能性を検証するために本研究を実施した。
研究計画を説明した上で同意の得られたうつ病患者さんに、通常の嗅覚検査および新規のカード式嗅覚同定検査法を用いて嗅覚検査を実施したところ、ほぼ全例で嗅覚機能は正常であり、functional MRIにより中枢性の嗅覚情報処理機能を検索すべき症例が得られなかった。
しかしながら、同様に抗うつ剤で治療を受けている「パニック障害」の患者さんでは全例で嗅覚は本人の自覚のないままに過敏であることが明らかになった。検査法としてはカード式嗅覚同定検査の正解点数が、年齢・性をマッチさせた例と比較し有意にすぐれており、また基準嗅力検査法として実施されるT&Tオルファクトメトリーでは、5種すべての嗅素に対し、著しく低い検知域値・認知域値を示したため、さらに嗅素の溶液を10倍、100倍希釈して閾値を測定したところ、それでも検知・認知できるほどの嗅覚であることがわかった。これらの症例では、いずれも「におい」をきっかけとしてパニック発作を経験したことがなかったが、「パニック障害」患者では扁桃体の活性が高いことが報告されており、中枢性に嗅覚が過敏であると推測された。
以上より、「うつ病」に限らず、各種精神神経疾患で今後さらに嗅覚機能を検査することが、診断・治療の重要な情報を提供する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 加齢と嗅覚障害2015

    • 著者名/発表者名
      奥谷文乃
    • 雑誌名

      Progress in Medicine

      巻: 35 ページ: 683-686

  • [学会発表] Synaptic plasticity in the olfactory bulb underlying aversive olfactory learning is inhibited by ER stress2015

    • 著者名/発表者名
      Jia Tong, Fumino Okutani, Hideto Kaba
    • 学会等名
      Society for Neuroscience, Annual Meeting
    • 発表場所
      Chicago (USA)
    • 年月日
      2015-10-17 – 2015-10-20
    • 国際学会
  • [学会発表] 嗅覚障害治療における嗅覚トレーニング法の有用性2015

    • 著者名/発表者名
      奥谷文乃・伊藤広明・小林泰輔・兵頭政光
    • 学会等名
      第54回日本鼻科学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県・広島市)
    • 年月日
      2015-10-01 – 2015-10-03
  • [学会発表] 日本人の嗅覚障害治療におけるドイツ風嗅覚トレーニング法の有用性2015

    • 著者名/発表者名
      奥谷文乃・伊藤広明・兵頭政光・椛秀人
    • 学会等名
      2015年度日本味と匂学会第49回大会
    • 発表場所
      じゅうろくプラザ(岐阜県・岐阜市)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-26
  • [学会発表] 嗅覚外来におけるオープンエッセンス検査所要時間の検討2015

    • 著者名/発表者名
      奥谷文乃・伊藤広明・山川泰幸・小林泰輔・兵頭政光
    • 学会等名
      第77回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      オークラアクトシティホテル浜松・アクトシティ浜松(静岡県・浜松市)
    • 年月日
      2015-06-25 – 2015-06-26

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公開日: 2017-01-06  

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