統合失調症治療において、ノン・アドヒアランスは再発率を高める一因である。本研究は、統合失調症の再発予防への新たな介入方法を探索するため、質的研究手法を用いてアドヒアランスの実態を明らかにし、概念構築することを目的とした。その結果、アドヒアランスの実態は1)アドヒアランス良好型、2)中間型、不良型、の3型があり、それには1)患者因子、2)薬剤因子、3) 患者-医師関係、4)家族、5)デイケア、6)友人、7)将来への展望が関わっていた。さらに、家族との関係が密な反面、友人関係の構築が進まない状況が明らかになり、デイケア等を基盤として社会的ネットワークを拡充し、家族負担を減らすことが課題と思われた。
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