幻覚・妄想出現におけるドパミントランスポーター(DAT)機能の役割をDAT陽電子断層撮影法(PET)により検討した。65歳以上の妄想性障害患者17名、統合失調症患者8名、健常対照者12名、65歳未満の妄想性障害患者2名、統合失調症患者6名、健常対照者9名に対してDAT-PETを実施し、線条体におけるDAT結合能(BP)を求め、比較検討を行った。老年期妄想性障害患者群は、高齢健常対照群と比べて線条体DAT-BPは有意に低下していた。 この結果は、老年期の妄想性障害の病態にDATの機能低下が関与している可能性を示していると考える。
|