痛みは主観的な現象であり、客観的な測定が困難である。このために、定量化できるような生理学的指標が必要とされている。本研究では聴覚刺激や、簡便な痛覚刺激による大脳誘発反応を測定する意義について調べた。まず、聴覚誘発反応ではP50成分が、感覚記憶を反映していることを示し、また変化関連反応N1/P2成分がLDAEPと関係している可能性を指摘した。次に、侵害受容性Aδ線維とAβ線維を別々に同部位において刺激する方法を開発し、その妥当性を示した。この方法を用いることで痛み関連疾患において、痛みや治療効果の機能的評価が可能であった。更に、身体症状症についての心理学的評価も検討した。
|