研究課題/領域番号 |
25461792
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
白川 治 近畿大学, 医学部, 教授 (40243307)
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研究分担者 |
切目 栄司 近畿大学, 医学部, 講師 (80368307)
辻井 農亜 近畿大学, 医学部, 講師 (90460914)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | depression / bipolar disorder / suicide / lithium / NIRS |
研究実績の概要 |
気分障害患者約350例について、近赤外線スペクトロスコピィ検査を実施し臨床評価とともに解析を進めた。 平成25年度に報告した抑うつ症状の自他覚乖離が、前頭部における賦活反応性の変化と関連することを見出し、自覚的抑うつ症状と前頭部における賦活反応性が正の相関を示すことを明らかにした。 さらに、双極性障害の他覚的抑うつ症状が左側頭部における賦活反応性と負の相関を示すことを報告し、双極性障害における抑うつ症状の客観的評価に対する近赤外線スペクトロスコピィ検査の有用性を明らかにした。 以上の成果はそれぞれ、Prefrontal cortex activation is associated with a discrepancy between self- and observer-rated depression severities of major depressive disorder: A multichannel near-infrared spectroscopy study. J Affect Disord. 2015;174:165-72. および、Left temporal activation associated with depression severity during a verbal fluency task in patients with bipolar disorder: a multichannel near-infrared spectroscopy study. J Affect Disord. 2015;173:193-200.で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
気分障害における自殺傾性解析のための近赤外線スペクトロスコピィ検査および臨床評価の蓄積は極めて順調で順次成果を公表する予定である。 一方、リチウム反応性の気分障害については、現在も症例のエントリーを続行しており、解析には更なるデータの蓄積が必要である。 また、ウェアラブル光ポグラフィの導入をすでに終え、既存の装置(ETG4000)との互換性を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
リチウム反応性の気分障害については、躁うつ病専門外来等を通じて現在も症例のエントリーを続行しているが、十分とは言えない。専門外来の拡充等により、リチウム反応性の気分障害患者の研究参加促進および臨床情報の蓄積を加速させる。 また、ウェアラブル光ポグラフィによるより簡便で実用性の高い検査法の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費が当初予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
主に対象患者に対する臨床評価尺度の購入に充てる予定である。
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