• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

非侵襲的な慢性ストレスバイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25461793
研究種目

基盤研究(C)

研究機関久留米大学

研究代表者

大園 秀一  久留米大学, 医学部, 助教 (10309784)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード唾液中マーカー / 心理評価尺度 / 児童精神 / 小児心身症
研究概要

近年、メンタルヘルスへの関心の向上に伴い、ストレスの客観的評価法に注目が集まっている。本研究では唾液を用い非侵襲的に測定できるストレスマーカーの開発を目的としている。古くからコルチゾール、アミラーゼ、クロモグラニンAなどがストレスマーカーとしてよく知られている。しかし本指標は急性ストレスのみを反映する点や、日内変動があることより、マーカーとして安定しているとは言い難い。本研究では既知のストレス指標に比して、慢性的なストレスを反映し、なおかつ日内変動の影響が比較的少ない安定した唾液中ストレスマーカーを開発することが目的である。
平成25年度は上記の生物学的マーカーの客観的裏付けとして用いる心理定量的な評価尺度の標準化を進めた。その結果、健常者370名、小児科及び精神科通院患者73名、小児がん経験者110名を対象として、小児抑うつ尺度(CDI)、小児行動評価尺度(YSR)、精神科半構造面接(MINI)を施行した。その結果小児科及び精神科通院患者において、有意に抑うつが高い現状が明らかとなった。今後標準化に向けて、信頼性を証明する調査を行いさらなる解析を行う予定である。
上記を踏まえて平成26年度は新たに健常者を対象とした唾液中マーカーの研究を開始する予定である。唾液中マーカーと心理尺度の相関を検索し、生物学的な裏付けを行う予定である。今後はさらに小児科及び精神科通院児童を対象として唾液中マーカーの測定を行い、その結果の意義を明らかにすることを計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目標として子どものうつ病あるいは抑うつ状態に関連するストレスマーカーが明らかにされることで,早期発見や関連要因への適切な働きかけが可能となり,自殺予防への重要な足がかりとする事とした。
初年度としては、ストレスマーカーの裏付けとなる心理尺度の開発が順調に進み、平成26年度にその成果の一部を学会発表する予定となっており、おおむね順調な進展状況と考える。

今後の研究の推進方策

健常者を対象とした唾液中マーカーの研究計画を策定し、久留米大学倫理委員会での承認を経たのちに30名~50名を目標に調査を行う予定である。
その解析の結果、心理評価尺度が標準化され、唾液中マーカーとの相関が明らかにされる予定である。

次年度の研究費の使用計画

旅費、人件費、その他について十分予算を使い切ることができなかった。当初予定していた健常者対象の調査が平成26年度にずれ込んだため、謝金を使うことができなかった。
健常者を対象とした唾液中マーカーの謝金として使用する予定である。また、旅費に関しても国際学会をはじめ積極的に参加し、研究協力者とも活発に交流して消費してゆく予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] High correlation between salivary cortisol awakening response and the psychometric profiles of healthy children.2014

    • 著者名/発表者名
      Shibuya I, Nagamitsu S, Okamura H, Ozono S, Chiba H, Ohya T, Yamashita Y, Matsuishi T.
    • 雑誌名

      Biopsychosoc Med.

      巻: 8 ページ: 9

    • DOI

      10.1186/1751-0759-8-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Infantile neuroblastoma of the urinary bladder detected by hematuria.2013

    • 著者名/発表者名
      Kojima S, Yagi M, Asagiri K, Fukahori S, Tanaka Y, Ishii S, Saikusa N, Koga Y, Yoshida M, Masui D, Komatsuzaki N, Nakagawa S, Ozono S, Tanikawa K.
    • 雑誌名

      Pediatric Surgery International

      巻: 29 ページ: 753-757

    • DOI

      10.1007/s00383-013-3305-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小児がん経験者のための長期フォローアップ手帳に関するアンケート調査2013

    • 著者名/発表者名
      石田也寸志, 有瀧健太郎, 浅見恵子, 大園秀一, 前田美穂, 山口悦子[中上], 堀部敬三, 加藤俊一, 藤本純一郎, 黒田達夫, 日本小児白血病リンパ腫研究グループ長期フォローアップ委員会.
    • 雑誌名

      日本小児血液・がん学会雑誌

      巻: 50 ページ: 220-226

  • [学会発表] 感染症を契機に横紋筋融解症・溶血性貧血の増悪を認めたPhosphoglycerate kinase欠損症の一例2014

    • 著者名/発表者名
      大園 秀一、渡邊 順子、西村 美穂、中川 慎一郎、上田 耕一郎、稲田 浩子、松石 豊次郎、福田 冬季子、杉江 秀夫
    • 学会等名
      第117回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋市 名古屋国際会議場
    • 年月日
      20140411-20140413
  • [学会発表] 看護師におけるグリーフケア2013

    • 著者名/発表者名
      大園秀一
    • 学会等名
      第11回日本小児がん看護学会学術集会
    • 発表場所
      福岡市 シーホーク
    • 年月日
      20131201-20131201
    • 招待講演
  • [学会発表] Longitudinal Study of Parental Posttraumatic Stress Symptoms (PTSS) During Pediatric Cancer after Transition to Outpatient Settings.2013

    • 著者名/発表者名
      Shuichi Ozono, Hiroko Inada, Koichiro Ueda, Maiko Noguchi, Tomoyuki Mantani, Toshinari Saeki, Shigeto Yamawaki
    • 学会等名
      45th Congress of the International Society of Paediatric Oncology
    • 発表場所
      Hong Kong, China
    • 年月日
      20130926-20130926
  • [学会発表] 小児がん患者・家族支援のスクリーニング2013

    • 著者名/発表者名
      大園 秀一
    • 学会等名
      第26回日本サイコオンコロジー学会
    • 発表場所
      大阪市 国際交流センター
    • 年月日
      20130913-20130913
  • [学会発表] 久留米大学小児科病棟における緩和ケアチーム活動の現状について2013

    • 著者名/発表者名
      大園 秀一
    • 学会等名
      第4回久留米サイコオンコロジー研究会
    • 発表場所
      久留米市 翠光園ホテル
    • 年月日
      20130906-20130906
  • [学会発表] 若年性骨髄単球性白血病(JMML)と類似した臨床像を呈したWiskott-Aldrich症候群(WAS)の2症例2013

    • 著者名/発表者名
      大園秀一、野口磨依子、中川慎一郎、上田耕一郎、稲田浩子、大賀正一、笹原 洋二、小島勢二.
    • 学会等名
      第19回九州山口小児血液・腫瘍研究会
    • 発表場所
      福岡市 九州大学
    • 年月日
      20130615-20130615
  • [学会発表] 心不全を伴う危急的貧血で発症したDiamond-Blackfan 貧血の乳児例2013

    • 著者名/発表者名
      古賀木綿子、野口磨依子、大園秀一、中川慎一郎、上田耕一郎、稲田浩子、松石豊次郎、財津亜友子、横地一興、大賀正一、菅野仁、伊藤悦郎
    • 学会等名
      第475回日本小児科学会福岡地方会例会
    • 発表場所
      福岡市 福大メディカルホール
    • 年月日
      20130608-20130608
  • [図書] 小児がん治療後の長期フォローアップガイドライン2013

    • 著者名/発表者名
      大園 秀一 (責任編集:前田 美穂、JPLSG長期フォローアップ委員会 長期フォローアップガイドライン作成ワーキンググループ編)
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      医薬ジャーナル社

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi