研究課題
本研究では唾液を用いて非侵襲的にストレスを測定するバイオマーカーを開発することを目的とした。成人領域においてはコルチゾール、アミラーゼ、IgAなどの報告がされているが、小児の心身症患者に焦点を当てた研究はほとんどなされていない。平成25年、26年度は日本において健常小児22名(健常群)と通院中の心身症患児6名(患者群)を対象として1日5回の唾液採取により、コルチゾールと免疫グロブリンA(IgA)の日内変動を検証した。その結果起床直後の患者群IgAが健常群より有意に低い平均値であることが判明。さらに患者群の起床直後IgAが心理質問紙(小児抑うつ尺度、Youth Self Report)と有意な負の相関を示すことが明らかとなった。すなわち、自覚症状が重症の患児ほど起床直後のIgAが低い事が証明され、患児の自覚症状と免疫能の関連が示唆された。平成27年度はブリティッシュコロンビア小児病院において、日本と同じデザインで健常群41名と心身症患者群5名を対象として調査を行った。平成28年3月末に検体採取を終了し、日本での解析を開始した。また、平成25年~27年にかけて心理質問紙「小児抑うつ尺度(CDI)」日本版の標準化解析を終え2016年2月12日講演会において発表した。現在投稿準備中である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 図書 (2件)
Int J Hematol
巻: 103 ページ: 202-209
10.1007/s12185-015-1910-1
Front Psychiatry
巻: - ページ: -
10.3389/fpsyt.2016
Pediatrics International
巻: 58 ページ: -
保健の科学
巻: 57 ページ: 551-555