本研究では唾液を用いて非侵襲的にストレスを測定するバイオマーカーを開発することを目的とした。 期間中に健常小児22名(健常群)と通院中の心身症患児6名(患者群)を対象として1日5回の唾液採取により 、コルチゾールと免疫グロブリンA(IgA)の日内変動を検証した。その結果起床直後の患者群IgAが健常群より有意に低い平均値であることが判明。さらに患者群の起床直後IgAが心理質問紙(小児抑うつ尺度、Youth Self Report)と有意な負の相関を示すことが明らかとなった。すなわち、自覚症状が重症の患児ほど起床直後のIgAが低い事が証明され、患児の自覚症状と免疫能の関連が示唆された。
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