研究課題/領域番号 |
25461803
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
和田 真一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80105519)
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研究分担者 |
大久保 真樹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10203738)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | CAD / Lung Cancer CT Screening / Quality Assurance of CAD / 3D-PSF / Virtual Nodule / ROC |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実績の概要は次のは通り。 1)CT検診発見結節を用いた性能評価法の検証 この研究では、当研究室で開発した3D-PSF Virtual Noduleを用いたCADの性能評価法の妥当性の検討をCT検診発見肺内結節18症例19結節を用いて行った。肺がんCT検診において経験豊かな放射線医によって早期肺がんを疑って発見された肺内結節(以降実結節と呼ぶ)を含む症例のCT画像データ内の当該実結節近傍に、実結節と同等のサイズ及び密度のvirtual noduleを生成融合し、CADによる検出を行い、実結節とVirtual noduleのそれぞれのROCカーブを比較した。その結果、両者のROCは良く一致する結果を得た。この結果は、提案する方法によるCADの性能評価法の妥当性を示唆するものであり、国際学会CARS2014において発表した。 2)提案するCAD性能評価法のCADのQAへの応用の観点からの検討 AAPM-CAD subcommitteeは、学術雑誌Medical Physicsに2013年CADのQAガイドラインを論文として発表した。この論文と当研究室で行っているCADの性能評価法の研究の関係について検討を行った。その結果、これまで当研究室で開発してきたCADの性能評価法が、CADのQAのためのToolとして用いることの可能性が強く示唆された。当研究室で提案する性能評価法は、AAPM-CAD subcommitteeがガイドラインに示すCADのQAに関する要件を満たすと考えられ、これまでのCAD性能評価法の研究から、CADのQA法への応用の可能性が示唆され、このことによって、研究の意義がより明確になったと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺がんCT検診用CADの性能評価方法の研究を行ってきたが、この研究の新しい展開としてCADのQAのための方法として意義を確認することができた。また、この方法を用いたCADの性能評価法の論文が国際学術誌に掲載され、国際的に認知される機会となった。今後は、この方法の多様な有用性を証明する論文を国際誌に発表していく必要があると考えてる。当研究室で開発した3D-Virtual noduleを用いた性能評価法が肺がんCT検診CADのQAのための方法として国際的に認知されるべく、今後も研究を継続・推進する必要があることを確認した。また、肺がんCT検診CADのQAの研究として、研究指導する留学生の博士論文一編を発表した。2015年2月、米国では、低線量肺がんCT検診の公的保健適用の決定が行われた。このことは、今後肺がんCT検診の広範に実施されるを意味するものであると考えられる。このことは、これまで我々が提案してきた方法が、今後肺がん死亡率低減に役立つ可能性を示唆するものであると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
3D-Virtual Noduleを用いた肺がんCT検診CADのQAのための実現可能な方法としての有用性を実証する研究に今後多角的に取り組んでいく必要があると考えている。一つには、CADのQAのための方法としての論文を国際学術雑誌に掲載し、提案法の有用性を国際的にアピールして行く予定である。また、これまで、試験に用いたCADは、研究グループ内で開発したシステムのみであったが、商用システムとして世に出ているCADに対しても拡大し、提案法の有用性を検証する研究を計画中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入が一部遅れたことによる
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に使用の予定
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