研究実績の概要 |
MRIにおける酸素吸入イメージングの確立のために、研究実施計画に従い、以下の項目について取り組んできた。(A) 酸素吸入イメージングにおける高磁場MRI 装置の優位性の証明。(B) 高時間分解能を保った高空間分解能の酸素吸入イメージングの確立。(C) 酸素吸入イメージングにおける脳脊髄液の動態解析モデル解明への取り組み。(D) 酸素吸入による脳血管・脳脊髄液の動的MR イメージングの臨床への応用。(A) については初年度にて達成し、誌上発表も行い、酸素吸入イメージングの有用性を示すことができた。 H27年度には以下のような成果が得られた。(B)について、高分解のMR画像と酸素化を評価可能な血流画像を非線形性変換し組み合わせた解析手法を誌上発表した(Fushimi Y, PLoS One 2015)。酸素化の過程で、常磁性体であるデオキシヘモグロビンが減少することに関連して、高分解能で磁化率を評価する手法を導入し、誌上発表を行った(Hinoda T, Investigative Radiology 2015)。(C)における動態解析モデリングに関連して、画像にゼロ要素が多いという事前知識を活用したスパースモデリング技術を導入し、撮影時間短縮につながる結果を得たため、誌上発表を行った(Yamamoto T, Investigative Radiology 2015)。また、(D)の実践にあたり、脳血管評価を臨床的に行うための圧縮センシング技術を導入し、誌上発表した(Fushimi Y, Investigative Radiology 2015)。 研究期間全体を通じて、スパースモデリング、圧縮センシングというアルゴリズムの導入を得ながら、脳血管・脳脊髄液を対象としたMRIにおける酸素吸入イメージングに寄与できたと考えられる。
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