研究課題/領域番号 |
25461826
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田中 伸幸 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (90294636)
|
研究分担者 |
星井 嘉信 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00263773)
松永 尚文 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40157334)
木戸 尚治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90314814)
上田 和弘 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90420520)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 肺癌 / EGFR遺伝子変異 / 高分解能CT / すりガラス様高吸収域 / volumetric measurement |
研究実績の概要 |
山口大学の倫理審査委員会承認を得て、研究を開始した。2006年から2014年における肺腺癌手術症例のEGFR遺伝子変異について、保険収載可能以前の症例212例を科研費を用いて検索し、保険収載可能後の症例141例と合わせ、計353症例を用いた。遺伝子変異の有無と腫瘍のCT所見の相関を検討した。結節の形態的所見(辺縁、スピクラ、エアーブロンコグラム、周囲の気腫)、画像解析ソフトウエアを用いた容量分析(自動解析による結節の数値化で、結節の平均CT値、充実部分の体積の割合、結節の重量など)を検討した。遺伝子変異有無について、陽性例では、変異の詳細(Exon19欠失, Exon 21変異)も検討した。353例中、変異陽性155例(Exon19欠失49例, Exon 21変異97例、その他9例)、陰性198例であった。 変異陽性例と陰性例の比較では、陽性例で、女性、スピクラなし、エアーブロンコグラムあり、周囲気腫なし、が有意に高頻度で、容量分析では、結節内の充実部分の割合が52%以下、充実部分の平均CT値、結節全体の平均CT値(CTv-total)がそれぞれ、-52HUおよび-254HU以下、が有意に高頻度であった。多重ロジスティック回帰分析では、変異陽性例で、女性、円形形態、周囲気腫なし、CTv-totalが-254HU以下、が有意に高頻度であった。変異陽性をExon19欠失, Exon 21変異に分けて変異陰性との比較を見ると、3者間での有意差はほとんど変異陰性例とExon 21変異との間で見られ、有意差の検出項目も、変異陰性と陽性の間での検出項目とほぼ一致していた。従って、変異陽性、陰性間の差は変異陰性、Exon21変異での差に依存していると考えられた。 現在、英文論文執筆を終了し、投稿予定で、平成28年の肺癌学会あるいは平成29年の放射線学会総会で発表予定である。
|