研究課題/領域番号 |
25461828
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
|
研究分担者 |
久冨 信之 香川大学, 医学部, 准教授 (20552045)
河井 信行 香川大学, 医学部, 准教授 (40294756)
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, その他 (50425659)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 核酸誘導体 / PET / 分子イメージング / 脳腫瘍 |
研究概要 |
本研究の目的は、脳腫瘍において腫瘍の分子レベルの変化を核酸誘導体を用いたDNA合成のイメージング剤(18F-FLT、11C-4DST)を用いて画像化し、悪性度診断や再発診断、化学療法や放射線治療の早期の治療効果判定に応用することである。 核酸誘導体を用いたDNA合成のイメージング剤として18F-FLTは最も広く臨床応用されている。18F-FLTは細胞内でリン酸化を受けた後、DNAには組み込まれず細胞内に滞留する。一方、11C-4DSTは動物や細胞の実験レベルでは投与後すみやかにDNAに取り込まれ、標識された11Cからのガンマ線を検出することにより生体のDNA合成を正確に評価できることが明らかにされている。 まず、11C-4DST PETと18F-FLT PETを様々な脳腫瘍患者13名に実施した。PETの評価は視覚的評価と半定量的評価を用いて行った。半定量的指標としてSUV値とROI法によるT/N比を用いた。 その結果では11C-4DSTと18F-FLTは正常大脳皮質にはほとんど集積を示さなかったが、11C-4DSTの大脳集積は18F-FLTのそれと比べて少し高かった。すべての脳腫瘍を11C-4DST PETと18F-FLT PETは陽性描画できた。腫瘍の11C-4DSTの平均SUVは3.37±1.93であり、18F-FLTの平均SUVは2.29±2.96であり、11C-4DSTのSUV値は有意に高値を示した。11C-4DSTのSUV値と18F-FLTのSUV値に良好な直線関係を示した。腫瘍の11C-4DSTの平均T/N比は3.42±2.23であり、18F-FLTの平均T/N比は10.51±13.65であり、11C-4DSTの平均T/N比は有意に低値を示した。 11C-4DSTは18F-FLTと同様に脳腫瘍を陽性描画できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である11C-4DST PET検査を脳腫瘍患者に実施でき、また同じ核酸誘導体製剤である18F-FLT PET検査を同じ患者に施行でき、両者を比較検討できている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は様々な脳腫瘍患者に11C-4DSTと18F-FLT PET検査を行った。今後は、低悪性度脳腫瘍患者と高悪性度脳腫瘍患者といった悪性度の違いでの評価や、高悪性度脳腫瘍患者群ではWHO分類のグレード別に評価を行っていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
物品調達効率化により、少額の残が生じた。 物品等購入に充てる。
|