研究課題/領域番号 |
25461829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
宮川 正男 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (90346685)
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研究分担者 |
望月 輝一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80145094)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心筋シンチ / SPECT / 冠動脈疾患 / CZTカメラ |
研究概要 |
本研究は、半導体検出器:小型軽量化したテルル化亜鉛カドミウム(CZT)を用いた新しい単光子放射断層撮影 (Single Photon Emission Tomography:SPECT)装置を用いて、非侵襲的に、短時間かつ低被曝下に、心筋局所血流の定性・定量解析を三次元的に総合評価することによって、虚血性心疾患の診断能を飛躍的に向上させることを目的としている。 最初に、ファントムを用いた基礎実験の結果から、従来装置に比べて感度が約4倍、空間分解能は約2倍となることを明らかにした。これにより、短時間撮影(5分以内)が可能となり、またRIの投与量を減らし被曝を低減できることが明らかとなった。この内容は、Takahashi Y, Miyagawa M, et al. Performance of a semiconductor SPECT system: comparison with a conventional Anger-type SPECT instrument. Ann Nucl Med. 2013 Jan; 27(1): 11-16.に基礎的検討としてすでに論文として発表した。 引き続き、臨床的検討として、虚血性心疾患の患者270例において、CZTカメラの短時間撮影により仰臥位、腹臥位の連続撮影が可能となることを示した。そしてこの連続撮影法を用いることで、虚血性心疾患の診断能が向上することを示した。Combined supine and prone myocardial perfusion SPECT with a CZT camera for detection of coronary artery disease. Circ J. 2014 (in press) この結果は論文としてacceptされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
従来型カメラに比べて、CZTカメラの特長が明らかにできた。その結果を、基礎的検討および、臨床的検討を二本の英語論文として発表できた。 また、CZTカメラを用いた心筋血流予備能を求める方法は、知的財産として愛媛大学を通じて特許申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
上記の基礎的検討および臨床的検討を踏まえて、定量的に局所心筋血流量や心筋血流予備能(MFR)を非侵襲的に計測するソフトウェアを開発し、両者による総合的な診断能を評価しようとしている。可能な症例では、半導体カメラで求めた局所血流量やMFRを心臓CT、心臓MRI、N-13アンモニア心筋血流PETなど他のモダリティから求められたものと比較してその妥当性を検証してゆく予定である。 また、今後心筋シンチのone day protocolとして、その有用性を検討し、低被ばく検査のしてのメリットも臨床例で追及してゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品の購入、研究情報収集の旅費が発生しなかった。 解析用のソフトの作成、検証用に3D画像に対応したPCおよび記録媒体、心筋シンチグラフィに用いる薬剤の購入。 更に今後必要となってくる研究動向の情報収集や、意見交換、研究成果の発表を行っていく。
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