研究課題/領域番号 |
25461831
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長尾 充展 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60533081)
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研究分担者 |
神谷 武志 九州大学, 大学病院, 助教 (20419534)
山村 健一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (30532858)
松尾 芳雄 九州大学, 大学病院, 助教 (50419595) [辞退]
米澤 政人 九州大学, 大学病院, その他 (80529834)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
坂本 一郎 九州大学, 大学病院, その他 (90616616)
川波 哲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50330999)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心臓MRI / 成人先天性心疾患 / タギングMRI / 心臓同期性障害 / 右心不全 |
研究実績の概要 |
本邦においてすでに40万人を超える成人先天性心疾患(adult congenital heart disease: ACHD)患者が存在し、約9000人/年のペースで増加していることは周知の事実である。しかしながら小児期に順調に経過した患者も成人期に達すると疾患特有の遺残病変や続発症のため右心不全や難治性不整脈など新たな問題を引き起こす。しかしそれらについて確立した画像診断はなく、再手術の適応や予後予測に関するデータの蓄積が期待されている。MRIは心臓全体の画像が死角なく得られ、再現性高く心室容積を測定できるため、両心室機能評価が可能となる。ただしACHDの突然死や予後予測として重要となる右心不全や心臓同期性障害のMRIの報告は少ない。我々は、タギングMRIから両心室のストレインカーブを同時に取得し、両心室間の収縮ピークのずれ(心室間同期性障害; Interventricular dyssynchrony, msec.)を算出した。ファロー四徴症術後や心房中隔欠損を含めたACHD 67人の検討では、Interventricular dyssynchronyが106msec以上で右心圧負荷を特異度92%で検出できた。また右室駆出率の低下やファロー四徴症で肺動脈弁置換を要した症例において、Interventricular dyssynchronyの延長が認められた。Interventricular dyssynchronyは、ACHDの右心機能低下や右心圧負荷・肺動脈弁疾患を推測する指標として期待される。 Michinobu Nagao, et al. Interventricular dyssynchrony using tagging magnetic resonance imaging predicts right ventricular dysfunction in adult congenital heart disease. Congenital Heart Disease 2014 DOI: 10.1111/chd.12217
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成人先天性心疾患患者の心臓MRIの臨床的重要性が認識され、循環器内科・小児科からの検査依頼は順調に増加している。ファロー四徴症に対する肺動脈弁置換術や心房中隔欠損閉鎖術などの治療前後にMRIを撮像する症例も増加している。MRIデータの解析ソフトについては、philips社やZiosoft社との開発も進み、画質や解析の精度が向上している。
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今後の研究の推進方策 |
ACHDの中で移植が必要とされる代表的疾患は、修正大血管転位症である。修正大血管転位は、右室から大動脈が、左室から肺動脈が起始しているのに加え、左右心室の位置が逆転していて右房が右側にある左室に、左房が左側にある右室に接続する。左右心房・心室関係が入れ替わっているものの、体循環から肺循環の血行動態は正常であり、成人期まで発見されない場合もある。成人期以降、体循環・体血圧を支える右室が圧負荷に耐えられれなくなり、心不全に陥ることがある。体循環に対応する解剖学的右室の機能不全が予後を左右する。現在、修正大血管転位の心臓MRIを用いて解剖学的右室機能や心臓同期不全について解析を追加中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
画像解析用のソフト開発費、画像データ保存用のメディアが予定より安価であったのが理由です。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度、対象症例の増加により画像データ保存用のメディアが予定より多く必要となることが考えられ、そちらに転用する予定です。
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