研究分担者 |
神谷 武志 九州大学, 大学病院, 助教 (20419534)
山村 健一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (30532858)
松尾 芳雄 九州大学, 大学病院, 助教 (50419595) [辞退]
米澤 政人 九州大学, 大学病院, その他 (80529834) [辞退]
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
坂本 一郎 九州大学, 大学病院, その他 (90616616)
川波 哲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50330999)
山崎 誘三 九州大学, 大学病院, その他 (00643347)
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研究実績の概要 |
本邦においてすでに40万人を超える成人先天性心疾患(adult congenital heart disease: ACHD)患者が存在し、約9000人/年のペースで増加していることは周知の事実である。しかしながら小児期に順調に経過した患者も成人期に達すると疾患特有の遺残病変や続発症のため右心不全や難治性不整脈など新たな問題を引き起こす。しかしそれらについて確立した画像診断はなく、再手術の適応や予後予測に関するデータの蓄積が期待されている。MRIは心臓全体の画像が死角なく得られ、再現性高く心室容積を測定できるため、両心室機能評価が可能となる。ただしACHDの突然死や予後予測として重要となる右心不全や心臓同期性障害のMRIの報告は少ない。我々は、タギングMRIから両心室のストレインカーブを同時に取得し、両心室間の収縮ピークのずれ(心室間同期性障害, msec.)を算出した。ファロー四徴症術後や心房中隔欠損を含めたACHD 67人の検討では、心室間同期性障害が106msec以上で右心圧負荷を特異度92%で検出できた。また右室駆出率の低下やファロー四徴症で肺動脈弁置換を要した症例において、心室間同期性障害の延長が認められた。心室間同期性障害は、ACHDの右心機能低下や予後予測を推測し、治療方針の有用な指標である。この結果は、国際学術誌Congenital heart disease 2015; 10: 271-280に報告した。 サブ解析として1)ファロー四徴症における右心機能や肺動脈閉鎖不全のMRIとCTの測定の違いをEur Radiol 2014に報告した。2)タギングMRIを用いた心臓同期性障害の新たな数学的手法をJ Nucl Cardiol 2013, Int Heart J 2014に報告した。
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