研究課題/領域番号 |
25461833
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西江 昭弘 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20457427)
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研究分担者 |
浅山 良樹 九州大学, 大学病院, 講師 (40380414)
牛島 泰宏 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432934)
高山 幸久 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60546563)
藤田 展宏 九州大学, 大学病院, 助教 (30610612)
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40322747)
栂尾 理 九州大学, 大学病院, 助教 (10452749)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | CEST / APT imaging / 前立腺癌 / グリソンスコア / MRI / 悪性度 |
研究実績の概要 |
【目的】前立腺癌評価におけるAPTイメージングの有用性を検証すること 【方法】針生検にて前立腺癌と診断された105名(平均年齢68.4歳)のうち、MRIで同定可能、かつ直径2cm以上である計66病変を対象とした。APTイメージングは2D-TSE法を用いて、オフセット周波数を-6 ppmから6 ppmまで、0.5 ppm毎に変化させて撮像した。参照画像(S0)は-160 ppmで撮像した。飽和パルスは0.5 秒を用い、強度は2.0 μTとした。δB0補正のためにδB0マップも撮像した。APT信号強度(APTSI)は、APTSI = {S[-3.5ppm] - S[+3.5ppm])/S0}×100 (%)と定義し、ピクセル毎に計算した後にAPTマップを作成した。病変はグリソンスコア(GS)により4グループGS6 (3 + 3, n = 23)、GS7 (3 + 4又は4 + 3, n = 18)、GS8 (4 + 4, n = 11)、GS9 (4 + 5又は5 + 4, n = 14) に分けて評価した。APTマップ上に関心領域を設定し、グループ毎のAPTSIの平均値及び標準偏差を算出した。また、グループ毎のAPTSIの平均値は一元配置分散分析後にチューキー法を用いて多重比較した。 【結果】各グループのAPTSI (%)は、GS6 2.48 ± 2.74、GS7 5.17 ± 2.89、GS8 2.56 ± 2.76、GS 9 1.96 ± 2.42だった。APTSIの平均値は、GS6とGS7、GS7とGS9の間に有意差があった(p<0.05)が、GS 6とGS8、GS6とGS9、GS7とGS8の間には有意差は認めなかった。 【結論】APTSIはGS7で最も高値であった。APTSIの増減には腫瘍悪性度(細胞密度や増殖能など)以外に、腺組織の構造変化が関与している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に症例を蓄積できているため
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今後の研究の推進方策 |
昨年度研究を進めていた直腸癌の症例も蓄積が進み、免疫染色にて病理学的評価の準備を進めている。前立腺癌においても病理学的な評価を加えて、APTSIの臨床的意義を明らかにしたい。子宮腫瘍の症例も蓄積が進んでおり、今後評価を行う予定にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は免疫染色にかかる経費に加えて、研究分担者の学会参加を促進したため、旅費が増加している。ただし、一年次の繰越額が多かったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は学会発表、論文作成を中心に研究費を使用する予定である。
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