研究実績の概要 |
本研究の目的は「いかなるMRI装置でもMRエラストグラフィ(MRE)を可能にする」技術の開発にある。MREの実施には「MRE専用シーケンス」とMRI装置と正確に同期する「加振動装置」が必要であり、これらはMRI製造メーカから購入・導入するのが一般的である。「いかなるMRI装置でもMREを可能にする」には「MRE専用シーケンス」と「加振動装置」をMRI製造メーカから独立して構築する必要がある。このような背景をもとに、研究代表者は一般的なMRIシーケンス(MRE専用シーケンスではない)でも、ある一定の条件を満たせばMREの実施が可能になることを実証し、その内容を論文(Magn. Reson. Imaging 33 (2015)31-7)として発表した。これにより「MRE専用シーケンス」の課題をクリアした。一方の「加振動装置」はMRI装置との正確な同期を必要とするため加振動装置とMRI装置の配線接続が不可欠である。そこで研究代表者は、マグネットから漏れ出る励起RFをマグネットルームに設置した自作のアンテナで受信、これを加振動装置の同期信号として利用する方法を提案・実証(No.1686 ISMRM2014, No.2528 ISMRM2015)した。これによりMRI装置との配線接続を必要としない「加振動装置」を開発できた。 これら2つの技術が融合したことで「いかなるMRI装置でもMREを可能にする」技術を達成できた。
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