| 研究実績の概要 |
現在までに、文書同意の得られた総計15例の拡張型心筋症(DCM)患者および11例の健常成人ボランティアに、N-13ammonia PETを用いて心筋血流(MBF)を定量し、またC-11 hydroxyephedrine (HED) PETを用いて心筋交感神経pre-synapse機能の定量を行った。これらの結果を部分解析した。HEDは投与後30分から40分にかけての心筋滞留率をinput function積分値に対する比HED-RIとして求めた。左室を極座標上で17分割し局所のMBF、HED-RIを計測した。MBFおよびHED-RIはDCM患者で健常者に比べ、それぞれ有意に低値であった(0.59 +- 0.10 vas 0.78 +- 0.10 mL/min/g, p=0.0003; 6.9 +- 1.9 vs 8.8 +- 2.0 %/min, p=0.02, respectively)。MBFとHED-RIの局所間のばらつきCVはDCM患者で健常者に比べ有意に、それぞれ有意に高値であった(0.25 +- 0.08 vs 0.18 +- 0.04, p=0.0004; 0.16 +- 0.05 vs 0.10 +- 0.02, p=0.004, respectively)。HED-RIのCV値と心不全の臨床指標logBNP値との間に有意な相関を認めた(r=0.65, p=0.0001)。DCM患者におけるMBF、HED-RI値の低下ばかりではなく、その局所間におけるheterogeneityがDCM患者の心不全病態に関与している可能性が示唆された。
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