研究課題
基盤研究(C)
脳の拡散強調MRIのデータから、側脳室内の脳脊髄液の拡散係数を求め、拡散係数から脳温度(脳室内脳脊髄液温度)を算出した。代表的脱髄疾患である多発性硬化症患者(13名)と健常者(13名)の脳温度を計測し、多発性硬化症患者は健常者に比べ、脳温度が有意に低いことを明らかにした。これは、多発性硬化症患者の脳代謝が低下していることを反映しているものと考えられた。また、妊娠可能年齢の女性(20名)においても黄体期・卵胞期に脳温度を測定し、黄体期は卵胞期に比べ、有意に脳温度が高いことが示され、脳温度が月経周期に伴って変動していることが初めて明らかになった。
神経放射線診断学