研究課題
PET薬剤の製剤化に固相抽出(SPE)法を適応することで、エタノール溶出液を投与可能なエタノール濃度に希釈して注射剤を製することができる。本研究では、数種のPET薬剤の製造にSPEによる製剤化法を実施し最適化する。また、エタノール含有製剤のPET臨床利用に向けた問題点を基礎的・系統的に明らかにすることを目的とする。(1) [11C]PIB、[11C]PK11195、[18F]AV-45、[18F]FRP-170を対象として、SPE法で得られるエタノール溶出液を生理食塩水で10%から0.5%までのエタノール濃度に段階的に希釈し、調製直後および経時的に(18F標識化合物では6時間まで、11Cでは2時間まで)HPLCにより放射化学的純度を測定し、放射線分解の抑制に効果的なエタノール濃度を設定した。[18F]FRP-170を除くトレーサーでは、2.5%のエタノール濃度でPIBのUVクロマトグラムのピーク面積値、高さは調製直後および100分後ともに変化がないことから、2.5%エタノールがPIBの溶解性が明らかに保持できる濃度であると確認した。しかし、1%以下では経時的に面積値の低下が認められ、溶解性の低下が確認された。また、放射化学的純度も2.5%以上のエタノール濃度で安定な純度を保持していたが、1%では僅かながら純度の低下する傾向にあった。(2) [11C]メチオニン合成法の開発を目的として、オンカラム標識法を最適化し、イオン交換カートリッジによる製剤化の方法を検討した。イオン交換カートリッジを用いた[11C]メチオニンの製剤化は、ロータリーエバポレーター法に比べて省力的、かつ効率的であり、製剤中の不純物低減においても有効であった。固相からの溶出はリン酸緩衝液(pH 6.5)を用いることで、注射液は常に安定したpHを確保できた。合成時間は[11C]ヨウ化メチル回収から20~22分を要し、照射時間10分で2.4-3.4 GBqの実収量が得られた。
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