研究課題/領域番号 |
25461848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
青木 茂樹 順天堂大学, 医学部, 教授 (80222470)
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研究分担者 |
寺田 一志 東邦大学, 医学部, 教授 (90227520)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | diffusion MRI / diffusional kurtosis / diffusion tensor imaging / Q space imaging / multiband EPI / Parkinson disease / spinocerebellar ataxia / DKI |
研究概要 |
平成25年度の本研究の実績としては、種々の変性疾患、正常ボランティアにおける、拡散MRIデータの取得、高速撮像法の導入、拡散MRIデータの解析とその結果の報告などがあげられる。詳細は下記の通り。 1.拡散MRIデータの取得: Parkinson病、脊髄小脳萎縮症 MSA、多系統萎縮症 MSA、進行性核上麻痺 PSP、特発性正常圧水頭症iNPH、Alzheimer病、てんかん、多発性硬化症、脳腫瘍、頸椎症、正常コントロールなどの拡散MRIデータを全体で200例以上取得した。 2.高速撮像法の導入: 拡散MRIの撮像時間は短めのdiffusional kurtosis imagingでも10分を越えることが多く、高速撮像法の導入が必要であるため、新たな高速撮像法である、Multiband EPIを導入して高速化を図るための基礎的検討(multiband factorの決定など)を行った。 3.拡散MRIデータ解析とその結果報告: 種々の疾患につき、TBSSやtractspecific analysisを行い、国際MR学会 ISMRM, 米国神経放射線学会 ASNR, 北米放射線学会RSNA, 磁気共鳴医学会、神経放射線学会などで結果を報告した。英文誌への投稿も行い、一部の結果はすでに掲載されている。iNPHでは側脳室体部レベルでの皮質脊髄路にてFAの上昇とMDKの低下を確認した。Parkinson病でも白質路の変性が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
拡散MRIデータの取得やある程度の解析とその成果は報告できた。高速撮像法のmutiband EPI法の臨床応用が可能となりその至適化などに時間がかかったため、データ取得のためのプロトコールの決定が多少遅れた。 撮像法の根本的な進歩に対応するためであり、必要な遅れと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定(多少遅れたが特に問題ない)どおり、種々の変性疾患について、拡散MRIデータの取得、解析とバイオマーカの探索を行う。 種々の疾患で異常の出る可能性のある主要白質路;脳梁、帯状束、鈎状束、錐体路などについてその診断能を独立、および組み合わせて検討し、有用なスクリーニングとなるバイオマーカを探索する。 その結果を基に、白質路の拡散マーカ(バイオマーカとなるもの)の自動解析法の開発を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
この研究は次の3つの柱からなる:1) 種々の変性疾患と正常者のMRI拡散(テンソル)画像の取得、2) その解析と発表、3) 種々の変性疾患の白質路バイオマーカの探索と自動化。その1)につき、拡散テンソル・kurtosis撮像につき、画期的な高速撮像法であるMultiband EPI法が臨床応用されたため、比較的お金のかからない基礎的検討が多くなり、25年度の使用額が少なくなった。 研究の3つの柱:1) 画像の取得、2) 解析、3) 種々の変性疾患の白質路バイオマーカの探索と自動化につき、費用がかかるのは2),3)とくに3)であり、26年度は当初の予定程度、27年度の使用額が多くなると予想される。
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