研究課題/領域番号 |
25461848
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
青木 茂樹 順天堂大学, 医学部, 教授 (80222470)
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研究分担者 |
寺田 一志 東邦大学, 医学部, 教授 (90227520)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | diffusion tensor imaging / 拡散テンソル DTI / MRI / 拡散MRI / DKI / connectome / NODDI / 脳 |
研究実績の概要 |
順天堂大学、東邦大学にて拡散MRIの有効な撮像法について検討した。 撮像法は、拡散強調の傾斜磁場の方向は30あるいは32方向のJonesタイプの印加とし、その強さ(b値)は1000s/mm2と2000s/mm2の2種類を基本とし、場合によって他のb値も撮像した。 種々の神経疾患(特発性正常圧水頭症 iNPH、認知症、脊髄小脳萎縮症、脳腫瘍など、合わせて50例以上)に撮像を行った。得られた拡散MRIのデータは、b値1000s/mm2のデータセットを用いて拡散テンソル(DTI)、2つ以上のb値を用いてdiffusional kurtosis imaging (DKI)、Q-space imaging (QSI)を過去の年度と同様作成した。該当年度よりNeurite orientation dispersion and density imaging (NODDI) によるマップも新たに作成した。作成したマップを用いて、ROI study, tract specific analysis, Tract-based special statistics (TBSS) connectome解析を行った。 iNPHの側脳室体部レベルの皮質脊髄路ではDTIによる過去の我々の報告に一致したDKI, QSIやNODDI解析による線維の圧迫による変化を認めた。iNPHにおける皮質脊髄路はバイオマーカーとして有用となり得ると考えられた。脳腫瘍では拡散パラメータの多次元的散布図により腫瘍や周囲の浮腫などの組織の定量的な鑑別が可能であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々の神経疾患(特発性正常圧水頭症、種々の認知症など)100例以上に、2つ以上のb値で30あるいは32軸の異なる方向のMPGを用いた拡散MRIを行い、個々の疾患に特有の部位に拡散パラメータの変化を観察できた。バイオマーカとなり得ると考えられた。 自動化に関しても、帯状束などのTSAの自動化を報告した。 データベースの作成に関しては、個々のベンダーによる差異が大きく、現段階ではベンダー毎の収集が有効と考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各種パラメータを組み合わせた画像バイオマーカとしての診断能の向上と、その解析の自動化を進める。また、拡散MRIの変化の病理学的背景を、詳細な拡散MRI解析(NODDIなど)や実験などで突き止めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度までは解析よりも、画像データ収集を主体として研究を行ってきた。そのため、データ取得後の解析に必要なワークステーションや解析に必要なマンパワーのための人件費を温存し、データがそろった時点で一気に解析を行うこととして、備品、人件費を節約してきた。
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次年度使用額の使用計画 |
取得したデータの解析を一気に解析するために、解析用のワークステーションを今年度初期に購入し、研究補助員や業務委託による補助により、解析を進める。後半には研究結果を学会等にて報告し、論文にまとめる。
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