研究課題
本研究の目的は、近年急増している脳梗塞や急性心筋梗塞などの基礎疾患となる動脈硬化の超早期病変である微小血管における血管内皮細胞障害の早期検出法を開発し、動脈硬化性疾患の早期治療を行うための礎となる研究を行うことである。そのために、微小細動脈における血管内皮細胞障害の可視化を微小血管造影法を用いて行った。前年度までの研究で、1.微小血管造影法を用いることにより、心臓、後肢、腎臓、肝臓、大脳などの直径30μm の微小細動脈を動画にて可視化することが可能であること、2.糖尿病のコントロールラットであるフィッシャーラット、LETO(Otsuka Long-Evans Tokushima)ラットにおいて肢の指尖部の細動脈でアセチルコリン投与による血管拡張反応が生じることが可視化されること、3.フィッシャー+STZ投与ラットやOLETF(Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty)ラットなどの糖尿病ラットでは、肢の指尖部の細動脈で血管が拡張しているような傾向があるが、アセチルコリン投与により血管が収縮する奇異性血管収縮反応が生じること、4,動脈硬化のバイオマーカーである血液中の高感度CRP値 やIL-6値と比較しても、奇異性血管収縮反応は、それらの末梢血液中における上昇よりも先んじて出現することなどが明らかとなった。本年度はこれらのデータを解析し、一部論文投稿を行った。
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Geriatrics and Gerontology International
巻: 15 ページ: 74-80
10.1111/ggi.12658
Tokai J Exp Clin Med.
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