研究概要 |
in vitroにおける実験評価系の構築のために、実験に使用するヒト腫瘍細胞株の評価を行った。その結果、本研究に適した腫瘍細胞株としてヒト非小細胞肺がん由来のH1299を選択、入手し、継代培養により実験に必要な細胞数を確保する技術を確立した。 誘発アポトーシスモデルにおける評価系を構築するため、培養H1299細胞へGammacell 40 Exactor を用いて 3 Gy, 6Gy, 12Gy, 18Gyの照射を行い、その後の細胞増殖率の変動を観察した。 照射後の培養H1299細胞に対して APOPercentage Dye を用いた染色を行い、陽性細胞の観察条件を検討しその最適条件を確定し、アポトーシス発現の測定を行った。これにより放射線誘発アポトーシスの定性的観察ならびに定量的評価の指標とし、その妥当性について検討した。 抗腫瘍剤誘発アポトーシスの比較コントロールとして、放射線照射後の発がんモデルで発現されるアポトーシスの有無、量的評価の妥当性を検討するために、色素胞ならびに光顕所見においてアネキシンVが検出手段として有用性があるかについてその実験条件の手技と最適化を検討した。 in vivo 腫瘍モデル実験の予備検討として、in vitro培養細胞株のマウスにおける移植実験を大腿部皮下ならびに肝被膜下に行いその手技の習得、最適条件の決定を行った。これらの予備的実験、評価手技の確立、事象の観察によって次年度以後、抗腫瘍剤投与後のアポトーシス発現の観察とその計測の準備を遂行し得た。
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