従来のがん化学療法においては、患者に最適な治療薬を治療前に知ることは難しく、画一的な治療薬選択・治療計画の策定が行われてきた。一方、我々は最近、生体内腫瘍の特徴を忠実に再現する新規三次元がん細胞培養法を研究開発してきた。当該研究では、本三次元培養法を応用し、がん個別の最適治療薬・PETモニタリング診断薬を選定する新規スクリーニング系の開発を行った。その結果、本法を用いることで、対象となるがん細胞に対し、生体内で効果の高い治療薬を選定し、かつその治療効果判定を行うことができる最適なPETモニタリング診断薬を選択できることを明らかにした。本システムは、個別化医療の実現に資すると期待される。
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