研究実績の概要 |
本年度はFCD疑いのてんかん患者、および側頭葉てんかんの臨床・脳波・MEG・SPECT・FDG-PET検査を施行し、病理との対比を行った。本年度当施設で上記疾患に関して検査が行われたのが約550例で、うち病理所見が得られた症例は44例であった。以下の検査と得られたデータに対して、下記の画像処理を施行した。 <臨床検査>各疾患の臨床診断のための必須項目や、診断の補助となる心理検査、神経学的検査、生理検査、発作時・非発作時脳波。MRIにおいて、DIR,3DT1volume data、軸位断T1,T2強調画像、冠状断FLAIR,拡散テンソルを施行、また脳血流SPECT,FDG-PET,MEGを施行。 <MRI>SPM9 with DARTELのソフトにて灰白質、白質、脳脊髄液のsegmentationをし、統計解析のための下準備を行った。またfree surferにて全脳の皮質厚測定も行った。DTI Studioのソフトにて全脳のFA map, MD mapを作成。SFLにてもTBSSを作成。正常例に関しても上記MRI形態計測や拡散テンソルにて同様の解析を行った。 <脳血流SPECT>大脳の脳血流を測定し、定量と訂正の画像を作成。発作時と非発作時画像を基に個々にSISCOM画像を作成し、Z-scoreを変動させててんかん焦点を牽出。 <FDG-PET>大脳の糖代謝を画像化し、病変部位のSUVを測定した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も臨床検査と画像検査と画像処理を行い、また病理との対比も行っていく。 <大脳皮質全体におけるFCD検出評価と画像解析>MRIによる評価と解析:MRI視覚評価、MRI形態計測とMRI拡散テンソル解析。核画像検査結果の比較:上記MRI評価、SISCOM,FDG-PET,MEG,各種脳波検査との結果比較。また手術にて焦点部を確定された症例においては、上記各種検査の検証を行う。 <側頭葉てんかんにおける画像解析>海馬硬化症、扁桃体腫大疾患例、その他の側頭葉てんかん症例に対して、扁桃体腫大例に対して、側頭葉先端皮質の肥厚合併の有無や合併割合を検討し、側頭葉先端部に及ぶFCDを画像から推測し、手術症例においては病理と対比する。海馬硬化症に対しても同様。側頭葉てんかん症例に対して、扁桃体と海馬の体積の相関を検討。側頭葉先端病変の有無を脳血流SPECT,FDG-PET,MRI解析のどれが優れているか検討する。 <手術を行った症例を対象に>手術にて確定された焦点部位また病理(typeも含めて)と、各検査によって焦点部位と推測された部位と対比し検討する。
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