• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

外科治療を見据えた難治性てんかんの多角的画像研究

研究課題

研究課題/領域番号 25461865
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

佐藤 典子  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 放射線診療部, 部長 (10322017)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードMR / PET / てんかん
研究実績の概要

3年間蓄積したてんかん症例で以下の画像解析と一部病理も合わせて検討を行った。
側頭葉てんかん患者でMRIにてnon-neoplasmと考えられる扁桃体の腫大がある症例40例と正常ボランティア40例を対象に、臨床症状とMR、SPECT, PETを検討した。いずれも腫大した側と脳波検査にて焦点側と一致した。発作間欠期に施行した脳血流SPECTとFDG-PET例においては、いずれも腫大側の側頭葉内側は集積が低下していた。MRにて扁桃体と海馬の体積をfree surferを用いて測定して左右差を検討したとろ、海馬の体積は患側と健側との間に有意差がなかったが、扁桃体は患側が優位に大きかった。側頭葉先端部の皮質に関しては、SPMにて正常データベースを作成し、個々の患者の皮質の肥厚の有無を検討したところ、患測の側頭葉先端部の皮質は25例で優位な肥厚を認めた。また組織が得られた3例は限局性皮質異型性FCDで、うち1例メチオニンーPETを施行されているが、集積は認めなかった。また4例の歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症DRPLAにてFDG-PETを施行したところ、CAGリピート伸展がより強い2例で線条体の集積の低下を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在まで順調に症例は集積しており、論文化も進んでいる。
もし今年度の症例集積が滞ったとしても、既存の集積データを解析することで、一定の成果は上げられると考えられる。特に既存データを用いて新たな解析方法で再解析することで、想定を上回る結果が期待できる。

今後の研究の推進方策

今年度は最終年度となり、臨床検査は前期までとし、画像処理と解析の考察、論文作成を行う予定。扁桃体腫大例に対して、側頭葉先端皮質の肥厚合併の有無や合併割合を検討し、側頭葉先端部に及ぶFCDを画像から推測し、手術症例においては病理と対比する。海馬硬化症に対しても同様。側頭葉てんかん症例に対して、扁桃体と海馬の体積の相関を検討。側頭葉先端病変の有無を脳血流SPECT,FDG-PET,MRI解析のどれが優れているか検討。またさらに辺縁系脳炎後てんかん患者やミオクローヌスてんかん患者のMRIデータにて、VBMで大脳灰白質のみならず、白質の体積の減少部位に関しても詳細に評価する。今までのVBMの検討では灰白質にのみ焦点が当てられて評価されていたが、白質にも特異な部位に委縮をきたすことがあるという仮説を検証するためである。

次年度使用額が生じた理由

症例数は予想範囲内であるが、来年度さらに新たにデータ解析業務が増える予定で、解析処理に携わる人員への謝金を今年度の余剰金より充てる計画に変更することとした。この状況を鑑み、今年度計画された支出を極力抑え、来年度解析処理に携わる人員への謝金を今年度の余剰金より充てる計画に変更することとした。

次年度使用額の使用計画

蓄積されたデータ解析に携わる人員の人件費、および謝金に予算増額する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Noninvasive evaluation of the correlation between regional cerebral blood flow and intraventricular brain temperature in temporal lobe epilepsy.2016

    • 著者名/発表者名
      Sone D, Ota M, Yokoyama K, Sumida K, Kimura Y, Imabayashi E, Matsuda H, Sato N.
    • 雑誌名

      Magn Reson Imaging

      巻: 34(4) ページ: 451-454

    • DOI

      10.1016/j.mri.2015.12.018.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Striatal glucose hypometabolism in preadolescent-onset dentatorubral-pallidoluysian atrophy.2016

    • 著者名/発表者名
      Sone D, Sato N, Yokoyama K, Sumida K, Kanai M, Imabayashi E, Saito Y, Matsuda H.
    • 雑誌名

      J Neurol Sci.

      巻: 360 ページ: 121-124

    • DOI

      10.1016/j.jns.2015.12.002

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Evaluation of amygdala pathology using 11C-methionine positron emission tomography/computed tomography in patients with temporal lobe epilepsy and amygdala enlargement.2015

    • 著者名/発表者名
      Sone D, Ito K, Taniguchi G, Murata Y, Nakata Y, Wanatabe Y, Okazaki M, Sato N, Matsuda H, Watanabe M.
    • 雑誌名

      Epilepsy Res.

      巻: 112 ページ: 114-121

    • DOI

      10.1016/j.eplepsyres.2015.02.018

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] White matter abnormalities in major depressive disorder with melancholic and atypical features: a Diffusion tensor imaging study.2015

    • 著者名/発表者名
      Ota M, Noda T, Sato N, Hattori K, Hori H, Sasayama D, Teraishi T, Nagashima A, Obu S, Higuchi T, Kunugi H.
    • 雑誌名

      Psychiatry Clin Neurosci.

      巻: 69 ページ: 360-368

    • DOI

      10.1111/pcn.12255

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi