研究課題
Myocardial infarction-prone WHHL(WHHLMI)ウサギは動脈硬化により心筋梗塞を自然発症する。動脈硬化研究において現在広く使用されているマウスに比べてウサギのリポ蛋白代謝は人に類似しているなど、WHHLMIウサギはより人に近い動脈硬化モデル動物だと考えられるので、動脈硬化の基礎研究や前臨床試験において重要な役割を果たすと期待されている。しかし、その病態に関しては不明な点も多い。本研究の目的は、WHHLMIウサギの病態、特に心筋梗塞の病態をMRIを用いて調べ、人の病態との類似性を明らかにすることである。これまでに、小動物用7T MRI装置においてウサギ用の高感度RFコイルを製作し、ウサギの心臓を撮像するのに十分な信号対雑音比が得られることを確認した。さらに、臨床検査で心機能評価に広く使用されているシネMRIを用いてWHHLMIウサギの心機能を評価するために撮像シーケンスの最適化を行った結果、同期や息止めを一切行わずにデータを収集して後処理でシネ画像を再構成する方法(IntraGate法)により簡便にウサギの心臓シネ画像を撮像できるようになった。今年度は、製作した高感度RFコイルを用いてIntraGate法により高齢のWHHLMIウサギと正常ウサギ(日本白色種)を対象にシネMRI撮像を行った。その結果、WHHLMIウサギの心臓の運動機能の低下が示唆された。今後、様々な月齢でWHHLMIウサギと正常ウサギの心機能を比較することで、WHHLMIウサギの心筋梗塞の病態進行の様子がより詳細に明らかになると期待される。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Scientific Reports
巻: 6 ページ: 32179
10.1038/srep32179
Journal of Artificial Organs
巻: 19 ページ: 262-269
10.1007/s10047-016-0894-9