研究課題/領域番号 |
25461877
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
門前 一 近畿大学, 医学部, 准教授 (10611593)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 放射線防護 / 放射線遮蔽材 / 金属紙 / 医療 / 福島 |
研究実績の概要 |
1)タングステン機能紙の鉛当量試験(JIS Z 4501):標準鉛板の鉛厚及び減弱率から標準鉛板の減弱率曲線を作成し、本遮蔽紙の減弱率に対応する鉛厚を補完法によって求めた。タングステン機能紙10枚での100 kVp と 150 kVp での鉛当量はそれぞれ 0.48 ± 0.02 、 0.51 ± 0.02 mmPb であった。Cs-137γ線での鉛当量は7、10、20、30 枚でそれぞれ0.28、0.43、0.91, 1.50 mmPbであった。 2)放射線治療への応用:放射線治療に使用する電子線に対する遮蔽特性を評価、透過率、深部線量百分率などをまとめ英文雑誌に掲載された。また、小線減治療(I-125)での術者被ばく低減、刺入後の患者から家族への被ばく低減を目的とした遮蔽効率を計測した。1枚で50%減、4枚で完全遮蔽できることを明らかにした。 3)放射線診断領域への応用:タングステン機能紙を使ったインターベンショナルラジオロギー(IVR)時の術者被ばく低減ためにPHITSを使ってシミュレーションし、実測と比較した。現在英文が完成して、投稿予定。 4)軽量化への取り組み:軽量化は進んでいないものの、再利用できる放射線防護衣を考案し、プロトモデルを作成。福島の被災現場で林野庁、大手総合建設業社が試験中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)タングステン機能紙の鉛当量試験:(概ね順調)JIS Z 4501に準じて測定が終了し、英文投稿中。 2)放射線治療への応用:(計画以上に進展)放射線治療に使用する電子線に対する遮蔽特性を評価、透過率、深部線量百分率などをまとめ英文雑誌に掲載された。また、小線減治療(I-125)での術者被ばく低減、刺入後の患者から家族への被ばく低減について英文作成中。アジア・オセアニア医学物理学会で発表済み。 3)放射線診断領域への応用:(概ね順調)タングステン機能紙を使ったインターベンショナルラジオロギー(IVR)時の術者被ばく低減ためにPHITSを使ってシミュレーションし、実測と比較した。オセアニア医学物理学会で発表済み。現在英文が完成して、投稿予定。 4)軽量化:(概ね順調)軽量化は進んでいないものの、再利用できる放射線防護衣を考案し、プロトモデルを作成。福島の被災現場で林野庁、大手総合建設業社が試験中である。
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今後の研究の推進方策 |
1)タングステン機能紙の放射線遮蔽:英文を投稿中・受理を目指す。 2)放射線治療への応用:小線減治療(I-125)での術者被ばく低減、刺入後の患者から家族への被ばく低減を目的とした紙衣を作成、特許出願予定。遮蔽効率などを英文投稿し受理を目指す。 3)放射線診断領域への応用:本遮蔽紙を用いたIVR時の被ばく低減の工夫を英文投稿、受理を目指す。また、CTでの小児の水晶体被ばく低減を目指す。 4)防護衣:福島の被災地、医療現場でリサイクル可能な防護衣を作製する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在投稿中の英文誌の掲載が今年度に決まらなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
投稿中の英文誌のオープンアクセス料(掲載料約15万)を支払う予定。
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