研究概要 |
ブタを用いて解離性大動脈瘤モデルの作成を行った。全身麻酔下に右大腿動脈から経皮的に先端を形状付けしたRösche-Uchida Transjugular Liver Access Set(Cook, Bloomington, USA)の外筒をブタの腎動脈下腹部大動脈壁に押しつけ、血管壁を逆行性に裂き、解離のinitial tearを作成。ここから、loop状にした0.035インチのガイドワイヤー(Terumo, Tokyo, Japan)とカテーテルで解離腔を進展させ、胸部下行大動脈まで適切な解離の距離を確保した後、対側の大腿動脈から真腔に確保した閉塞バルーンをlandmarkとして、これに向かってBrockenbrough needle (Medtronic Vascular, Santa Rosa, CA, USA)を用いて、偽腔から真腔にreentryを作成した。真腔の穿刺を確認した後、拡張バルーンにてreentryを広げた。大動脈造影を行い、解離の形成を確認し、解離腔からinitial tearの部分を含めてバルーン拡張を追加した。このバルーン拡張を入念に反復することで、安定した急性解離モデルの作製ができることがわかった。 慢性期大動脈解離モデルの作製は、解離実験を行ったブタ3頭全例にて成功した。
|