甲状腺機能亢進症を、梗塞による壊死により治療する甲状腺動脈塞栓術の基礎的検討を行った。塞栓物質としてembosphereを用いた甲状腺動脈塞栓術は安全であった。4本存在する甲状腺動脈を2本塞栓した場合よりも、4本塞栓した場合は2週後において有意に甲状腺機能低下を示した。4本塞栓群は塞栓術による甲状腺機能低下が著しく、2週目の中央値でFT3とFT4はそれぞれ0.26pg/ml、0.25ng/dlであったにもかかわらず、Caの低下は軽微で副甲状腺機能は有意な低下を示さなかった。これらの結果より、甲状腺動脈塞栓術は求められる甲状腺機能に応じた塞栓が可能な、第4の治療になりえると考えられた。
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