研究課題/領域番号 |
25461889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
秋澤 宏行 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90311795)
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研究分担者 |
大倉 一枝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827)
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
趙 松吉 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80374239)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 核医学 / イメージング / 抗がん剤 / 治療効果予測 / チミジンホスホリラーゼ / 5-フルオロウラシル |
研究概要 |
5-フルオロウラシル(5-FU)系抗がん剤は、がん細胞内に存在するチミジンホスホリラーゼ(TP)によって活性化され、細胞毒性を示すことが知られている。したがって、TPの定量的イメージングは、5-FU系抗がん剤を用いるがん治療の効果予測を可能にすると期待される。また、私たちは既に、TP阻害剤を基に設計した放射性化合物(IIMU)が、TP発現レベルに対応してがん細胞やがん組織に集積することを確認している。そこで本研究では、IIMUを用いるTPの核医学イメージングにより、5-FU系抗がん剤を用いるがん治療の効果予測が可能かについて検討することを目的とする。 平成25年度は、5-FUによる治療効果が、IIMUを用いるTPイメージングによって予測可能かについて検討した。がん細胞でのTP発現レベルと5-FUへの感受性とが対応しているかを調べるため、まず、TP発現レベルの高い細胞(A431)と低い細胞(AZ521)について、5-FUを添加した培地中で培養した後にviabilityを評価したところ、当初の予想に反して、TP発現レベルの低いAZ521細胞の方が、5-FUに対する感受性が高いという結果が得られた。次に、A431またはAZ521細胞を移植したマウスを作製、5-FUを投与し、腫瘍組織の大きさを経時的に計測した。この検討においても予想に反し、A431とAZ521の場合を比較したとき、5-FUを投与することによる腫瘍成長の抑制の程度に明らかな相違は認められなかった。期待に反するこれらの結果は、TPによる代謝が関与しない5-FUの細胞毒性発現経路が存在することに起因する可能性が高いと考える。平成26年度も、引き続き検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた実験を行うことはできたが、再検証する必要があるため、当初の計画より少し遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に行った「5-FU」に関する実験を再検証した後、当初の計画通りに、5-フルオロウラシル系抗がん剤の一つである「カペシタビン」について、検討を進めていく予定である。
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