研究課題
(実験方法の見直し)寒天を熱媒体として貫通させた塩ビチューブに模擬血流を循環させて熱電対にて凍結を観察・計測する予定でいたが、計算ソフトの不適応により断念し、CTでアイスボールを観察する方法に切り替えた。実験の実施により、刺入時に生じる寒天の亀裂による熱伝導の不安定化、塩ビチューブ蛇行による凍結端子との距離の不安定が、実験の問題点として判明した。試行錯誤の後、熱媒体を超音波検査用ゲルに変更し、複数回使用でき亀裂の生じない熱媒体が作成できた。また、CTでのアーチファクトが少なく、かつ金、銅に次いで熱伝導が高いアルミニウム管を塩ビチューブに替えて模擬血管とすることにより、その直線性を担保できた。(超音波用ゲルを用いた実験)ペットボトルに模擬血管としてのアルミニウム管と凍結端子装填用アルミニウム管を刺入。模擬血管径3mmと6mm、2つのアルミニウム管の間隔2.5㎜、5mm、流量0ml、100ml、400ml、一部1200mlでアイスボールサイズの経時的拡大をCTで観察した。ゲルのCT値は5HU程度から凍結により-80HU程度と低下し、明瞭な濃度差を示したことから、ワークステーションにてアイスボール容量、サイズが計測しえた。その結果、アイスボールの拡大は、血流のある模擬血管近傍で抑制されていること(thermal sink effect)、拡大抑制の程度は模擬血管との近接(距離)および血流量に影響され、模擬血管径の差異には影響を受けていないことが判明した。(豚肝での実験)同様にアルミニウム管を刺入し、豚肝でのthermal sink effectを確認したが、近傍に存在する脈管により安定したアイスボールが得られなかった。また、当初予定していた熱電対での温度計測が不可能であることも判明していたので、豚肝でのアイスボールサイズ変化の計測は不可能と考え豚肝での実験は中止した。
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