研究課題/領域番号 |
25461897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 哲也 北海道大学, 大学病院, 助教 (10431363)
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研究分担者 |
大泉 聡史 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10421968)
志賀 哲 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 低酸素イメージング / 体幹部定位放射線治療 / FMISO |
研究概要 |
「分子イメージングを用いた原発性肺癌に対する高精度放射線治療の研究」の準備を2013年4月より開始している。まずは低酸素イメージングプローブである、[18F]fluoromisonidazole(FMISO)を用いて、「非小細胞肺癌におけるFMISO-PETの有用性評価のための基礎的研究」という前向き研究を立ち上げ、2013年7月に北海道大学病院のIRBより承認を受け、患者リクルートを開始した。 この研究では、ステージI期~III期の非小細胞肺癌で放射線治療(同時併用化学療法を含む)予定の患者を対象とし、放射線治療前後にFMISO-PETとFDG-PETを撮像するプロトコールとしている。この研究の主要評価項目として、FMISO-PET画像を用いて、病変へのFMISO集積をSUV、Tumor/blood ratio、Tumor/muscle ratioを用いて半定量的に評価し、再発例に対するそれぞれの評価方法の精度を、ROC解析を用いて解析し、適切な評価方法を検討する予定である。 また副次的評価項目として、FMISO-PET画像における呼吸同期装置の有用性などを評価し、最適な撮像方法を検討することや、放射線治療中や治療後のFMISO集積の変化、治療成績とFMISO集積の関連、FMISO-PETとFDG-PET画像所見の比較など、肺癌の放射線治療におけるFMISO-PETの有用性検討のための基礎データを得ることも予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では平成25年度に低酸素イメージングの研究を進め、「低酸素イメージングによる体幹部定位放射線治療の予後因子解析」や「低酸素イメージングによる体幹部定位放射線治療後の再酸素化と予後の解明」などの検討を進めていく予定だったが、、「非小細胞肺癌におけるFMISO-PETの有用性評価のための基礎的研究」のIRB審査などで時間がかかり、患者リクルートを始めたのが2013年8月からとなってしまったので、まだ上記の解析ができる段階に至っていない。このまま患者リクルートを進めていき、データを蓄積していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
「非小細胞肺癌におけるFMISO-PETの有用性評価のための基礎的研究」の患者データを蓄積し、「低酸素イメージングによる体幹部定位放射線治療の予後因子解析」や「低酸素イメージングによる体幹部定位放射線治療後の再酸素化と予後の解明」などの検討を進めていく予定。 解析結果により、低酸素状態と再発高リスク群の関連性が示されたら、当初の予定通り、再発高リスク群に対する、「X線による体幹部定位放射線治療の線量増加試験」や「スポットスキャニング法による陽子線治療の前向き臨床試験」を立案していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
患者リクルートの開始が遅れ、検査に必要な経費が残ってしまった。 PET検査の費用などを中心に使用していく予定。
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