本研究は、我々が開発している腫瘍追跡機能の高度化とその追跡情報を患者にフィードバックする呼吸コーチングシステムの開発である。本年度はこれまでの研究を引き続き、1)腫瘍追跡アルゴリズムの高度化、2)呼吸コーチング機能の高度化、を実施した。 1)腫瘍追跡アルゴリズムの高度化 マーカーレスの腫瘍追跡精度向上策として、CT画像の3次元情報を元にしたDRR画像を作成する際に腫瘍部分と腫瘍外の周辺構造を分離した追跡画像を利用する必要性が示唆されたが、リアルタイムに透視画像にも骨構造など腫瘍周辺構造を分離する必要があることが判った。リアルタイムに透視画像に腫瘍周辺構造を分離する画像情報を施すことは演算量の多い画像処理のため現時点では困難である。 2)呼吸コーチンング機能の高度化 呼吸コーチング機能を患者に示す効果的なGUI等を作成した。同時に腫瘍追跡システムと呼吸コーチングシステムPC間の通信機能や時間同期機能を作成した。これにより原理的に呼吸コーチングによってCT撮影時の呼吸レベルに誘導するすることが可能となる機能が作成できた。
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