本研究では、モンテカルロ法を用いた炭素線治療用ビームのシミュレーションシステムを構築した。Geant4ベースのPTSIMを利用し、炭素線治療の特徴である生物線量を計算する機能を追加した。またシミュレーションの結果の妥当性を評価するため実測との比較を行った。また初期ビームエネルギーの揺らぎも実測との評価で行った。その結果、飛程や深部線量分布に関しては僅かな差があるもののよく一致している。幾つか課題点が残るものの、本システムは治療ビームのシミュレーションシステムとして要望なものであり、今後も研究を進めていく予定である。
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