研究課題/領域番号 |
25461914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80351906)
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研究分担者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
西村 英輝 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80444610)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小線源治療 / 子宮頸癌 / 画像誘導 / 危険臓器 |
研究概要 |
子宮頸癌の腔内照射において、直腸・膀胱といった危険臓器(Organ at risk: OAR)の線量を低減化するということは非常に重要である。これまでの2次元的な腔内照射において線量の低減化はX線ガーゼを膣内に挿入しOARと距離を取るという形で行われてきた。しかし近年技術の進歩に伴い、CT、MRIを用いた画像誘導小線源治療 (Image guided brachytherapy: IGBT)が導入されつつある。これによってより正確な治療が可能となったのと同時に、従来のX線ガーゼを用いたOARの線量低減化はその手法及び画像描出能等で改善すべき点が明らかとなってきた。今回の研究はより安全な腔内照射の施行を目指して、確実にOARとの距離を確保でき、安定的でかつ3次元画像上明瞭に描出される新規膣壁拡張スペーサーを開発し、臨床応用することを目的とする。 実際の研究計画としては、A:複数の素材を用いた実験的膣内スペーサーの作成、B:作成されたスペーサーに関する物理学的、生物学的な検証、C:有効性、安全性が確認されたスペーサーに関する臨床試験であり、平成25年度はAが中心となる。実際にはシリコン、ゴムといった素材を用いることを予定している。作成に関してはできる限り独自に行うことを前提とする。平成26年度以降はB, Cが中心となる。ファントムを用いて、実際に作成されたスペーサーの物理学的な検証を行う。動物実験も行った後、最も有効性が高いものに関して臨床試験を行う。平成25年度は終了した現在だが、遅れはあるが現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
子宮頸癌治療において放射線治療の役割は非常に重要である。特に根治治療では外部照射と腔内照射の併用という特徴的な手法が用いられ、これが標準的な治療法として確立されている。放射線治療と並列するのはやはり手術であるが、FIGO臨床病期I-IIb期で腫瘍径の比較的小さいもの(≤ 4cm)では腫瘍制御において両者は同等である。またI-IIb期で腫瘍径の比較的大きいもの(> 4cm)やIII-IVa機などの進行例では手術が困難となってくるため、放射線治療が主たる局所療法となる場合が多い。現在欧米では放射線治療の果たす役割はすでに手術より重要となっており、日本もその方向に向かいつつある。近年放射線治療は技術的な革新が進み、外部照射の領域では3次元治療計画からそれをさらに進歩させた強度変調放射線治療 (Intensity modulated radiotherapy: IMRT)を行う施設が増えてきた。これに対して子宮頸癌放射線治療の核である腔内照射については、従来は正側2枚のX線フィルムを用いた2次元的な治療計画が行われてきた (図1)。しかしこちらも、CT、MRIを用いた画像誘導小線源治療 (Image guided brachytherapy: IGBT)が導入され、より高精度の治療が行われている(図2)。日本では海外に比べIGBTの導入は若干遅れているが、今後全国的に広がってくることになり、当然より安全かつ確実な治療が要求される。本研究はIBGT時代に即した方法でOARの線量の低減化を図り、より安全な治療を目指す目的で行われるものである。これは国内のみならず国外においても非常に重要な研究であると言える。研究目的の達成度については研究者自身の海外出張等があり、現在遅れて進行中である。研究者は海外出張中もIGBTに従事しており、本研究により良い効果がもたらされるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
前述したが、実際の研究計画は、A:複数の素材を用いた実験的膣内スペーサーの作成、B:作成されたスペーサーに関する物理学的、生物学的な検証、C:有効性、安全性が確認されたスペーサーに関する臨床試験であり、平成25年度はAが中心となる。実際にはシリコン、ゴムといった素材を用いることを予定している。作成に関してはできる限り独自に行うことを前提とする。平成26年度以降B, Cが中心となる。ファントムを用いて、実際に作成されたスペーサーの物理学的な検証を行う。動物実験も行った後、最も有効性が高いものに関して臨床試験を行う。研究計画は遅れており、現段階ではまだAである。スペーサーに用いる素材としてシリコン、ゴム、その他、袋状に加工が可能な素材を検討中であり、内部充填物質に関しても検討を重ねている。Aを終了次第、Bに移行する。具体的なBの内容としては①スペーサーとしての機能、および画像描出能に関する検討、②治療計画装置を用いた線量分布の作成及び、膣壁線量の比較、③スペーサーの経時的な安定度の検討、④動物を用いた生物学的な検討である。これらの結果をもとに最終的にはFeasibility studyを施行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由としては、研究者氏自身の海外出張などがあり、研究の進行が止まっていた時期があったためと思われる。 今年度は予定より計画の進行が遅れているため、その分多くの研究を行う必要が生じている。そのためより多くの研究費が必要となり、適正に使用されるものと考えらえる。
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