研究課題/領域番号 |
25461918
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
村上 龍次 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (90295147)
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研究分担者 |
平井 俊範 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (40274724)
内山 良一 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (50325172)
東家 亮 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60452893)
中山 秀樹 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70381001)
村上 大造 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (70398212)
八木 雅和 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 准教授 (40362686)
山崎 俊彦 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70376599)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 頭頸部腫瘍 / 頸部リンパ節転移 / 所属リンパ節区分 / 画像診断 / 予防的頸部郭清術 / 全頸部照射 / 予後予測因子 / コンピュータ支援 |
研究概要 |
頭頸部癌に対する治療方針の決定には、リンパ節転移の評価が重要であり、局所進行例には、潜在的リンパ節転移を考慮した予防的頸部郭清術や全頸部照射が行われている。しかし、実際には、多くの症例で術後の病理標本にリンパ節転移は認められない。そればかりか、術後の合併症として、副神経麻痺による肩の痛みが問題となる。また、予防的放射線治療として行われる全頸部照射では、皮膚炎や粘膜炎だけでなく、唾液腺障害による口腔乾燥症が必発である。そこで、潜在的リンパ節転移の可能性および予防的治療の必要性を判定する評価法の開発が望まれる。 進行口腔癌症例を対象に術前の画像診断および術後の病理組織標本を用いてリンパ節転移の分布を検討した。所属リンパ節区分に基づいて、リンパ節転移の分布が一般的な部位および稀な部位を明らかにすることができ、米国放射線腫瘍学会(ASTRO 2013)で発表した。すなわち、全例に広範囲の予防的治療が必須ではなく、臨床的リンパ節転移陽性例に対しても、郭清や照射を省略できる所属リンパ節区分の可能性が示唆された。また、術前画像診断におけるコンピュータ支援として、脳腫瘍の抽出に成功し、腫瘍内変化量の3次元的解析による鑑別診断法を論文発表した。さらに、治療計画支援システム開発後の臨床応用を考慮し、画像診断や放射線治療の精度管理に関する研究にも取り組んだ。 今後は咽頭癌や喉頭癌にも検討対象を広げ、術前画像所見から潜在的リンパ節転移および予後予測に関する指標を検討する予定である。コンピュータ支援によって、画像指標の評価に標準化を加え、頭頸部癌に対する標準的治療範囲を提供する治療計画支援システムの実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属リンパ節区分に基づいて、進行口腔癌におけるリンパ節転移の分布が一般的な部位および稀な部位を明らかにし、米国放射線腫瘍学会(ASTRO 2013)で発表した。コンピュータ支援として、脳腫瘍の抽出に成功し、腫瘍内変化量の3次元的解析による鑑別診断法を論文発表した。また、治療計画支援システム開発後の臨床応用を考慮し、画像診断や放射線治療の精度管理に関する研究にも取り組むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
口腔癌だけでなく咽頭癌や喉頭癌にも検討対象を広げ、術前画像所見から潜在的リンパ節転移および予後予測に関する画像指標を検討する予定である。さらに、画像指標の評価にコンピュータ支援による標準化を加え、頭頸部癌に対する標準的治療範囲を提供する治療計画支援システムの実現を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初は2台のコンピュータを購入予定であった。データ量および他の支出状況を考慮し、本年度は1台のみとした。2台目のコンピュータ購入を次年度に変更したため、次年度使用額が生じた。 コンピュータを購入予定である。
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