研究課題/領域番号 |
25461919
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
戸板 孝文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30237036)
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研究分担者 |
粕谷 吾朗 琉球大学, 医学部附属病院, その他 (00639932)
大野 達也 群馬大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10344061)
垣花 泰政 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20185713)
宇野 隆 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30302540)
石倉 聡 順天堂大学, 医学部, その他 (40407242)
有賀 拓郎 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (60647337)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 子宮頸癌 / 放射線治療 / 高線量率腔内照射 / 画像誘導小線源治療 / 強度変調放射線治療 |
研究実績の概要 |
1.前年度に立案した外部照射に中央遮蔽を用いない治療スケジュールを採用した前向き臨床試験への患者登録を進めた。計6例が登録された。年齢は34-75歳で、IB2期: 5例、IIB期: 1例であった。同時化学放射線療法が4例で行われた。全例でプロトコル治療を完遂した。治療休止を要する重篤な有害事象は認めなかった。経過観察期間4-12ヶ月で、局所再発1例、Grade 1の直腸出血を1例に認めている。 2.当院にて画像誘導腔内照射(IGBT)が行われた子宮頸癌65例(191回)について、膀胱容量と子宮前方に位置する小腸のD2cc値の関係を解析した。その結果、A点線量の88%以上になる割合は、膀胱容量が100-200mlで最も高く(28%)、200ml以上で最も低い(6%)ことが示された。一方、膀胱容量により、直腸及びS状結腸のD2ccに有意な差は認められなかった。 3.当院にてCone beam CT(CBCT)画像の評価が可能であった子宮頸癌25例について、子宮頸部及び体部の移動量を計測した。また、膀胱/直腸容量と移動量の相関について検討した。その結果、頸部/体部の平均移動量は前方: -1.8mm (SD 3.7mm)/-0.3mm (SD 5.8mm)、後方: -0.4mm(SD 2.2mm)/0.9mm (SD 3.9mm)、右方: -1.6mm (SD 1.7mm)/1.1mm (SD 1.5mm)、左方: -2.2mm (SD 1.4mm)/1.2mm (SD 2.8mm)であった。体部の上下方向の平均移動量は、1.9mm (SD 6.3mm)と大きかった。膀胱の容量が体部の移動に大きな影響を与えていた。 4.IGBTにおける線量の体積処方(HR-CTV D90)に向けた、CT-based IGBTのためのHR-CTVのコンセンサスガイドライン作成作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前向き臨床試験への患者登録が進んでいない。理由として、患者さんの同意取得率が非常に低いことが挙げられる。その原因の大きなものとして、外部照射に中央遮蔽を設定しない試験治療内容(global standardに近い方法)が本邦の標準治療と異なること、腔内照射の回数が当院での実臨床よりも多い(3回vs4回)ため、診療報酬の支払いが高くなってしまうことが考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
前向き臨床試験への患者登録推進のための対策を講じる。具体的には患者さんへの説明のより丁寧な実施を検討する。CBCTによる頸部/体部移動量の検討について、より詳細な解析を進める。具体的には、様々な因子(患者因子、腫瘍因子)による影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析作業をする補佐員を雇用する予定だったが適任者が見つからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
累計で物品費と旅費の残高が不足気味なので、その補てんに充てる。
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