研究課題/領域番号 |
25461923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
細野 雅子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00315988)
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研究分担者 |
坂本 真一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40464648)
堤 真一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 病院講師 (60647866)
三木 幸雄 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80303824)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 定位放射線照射 / 拡散テンソル画像 / 神経損傷 |
研究概要 |
本研究の主たる目的は、定位放射線照射での寡分割照射による神経線維の損傷を、拡散テンソル画像(DTT)を用いて可視化し、またvolume dataとして定量化することで線量-効果関係を評価することである。初年度においては、DTT作成プログラムを既存の定位放射線照射用の治療計画装置に組み込み、治療計画装置上のインターフェイスを作業行程がわかりやすくなるよう改良を試みた。DTT作成プログラムはCaminoを用いた。現在、定位放射線照射の治療計画装置として使用されているERGO++ にDTT作成プログラムを導入し、ERGO++のモジュールの1つとしてDTT作成を行えるように改良を行った(trial ERGO++)。準備段階として、研究開始前に基準画像上にDTTが描出されることは確認を行っていたが、使用する画像ファイルにより基準画像上のDTTに歪みが生じることが判明した。これは渦電流の影響によるもので、渦電流補正された画像のDICOMファイルを確認しDTT作成することで解消された。また、trial ERGO++上で作成したDTTをROIとして認識できることも確認した。しかし、現段階では、作成したROIとしてのDTTは線描出されたvolumeとしてしか認識しておらず、線維束が領域として認識されていない。したがって、ROIとしてのvolumeが非常に小さく、線維束の経路の変化をsubtractionとして評価するには誤差が非常に大きくなり、今後の早急に解決すべき改良点と考えられた。また、上記一連の行程について、更に複数の画像ファイルでの検証が必要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力者が作成したtrial ERGO++上で作成したDTTが画像ファイルにより歪みを生じる原因究明に時間を要した。また、現バージョンでのDTTのROI作成は描出された線のvolumeとして認識されているのみであり、トラクトとして領域をROIとして認識させるには新たなプログラムの作成が必要である。当初予定していた行程にさらにROI作成プログラムの作成と検証が必要で、現在これらについて検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
可視化したDTTを定量化するには、線描出されたトラクトを領域として認識させる必要がある。まずはDTT作成し、これをROIとして認識させるプログラムの作成を行う。このプログラム検証を含めてtrial ERGO++上でDTT作成からそのROI認識、再現性の確認を行う。具体的には当院の倫理規定に基づき過去の患者データを利用し定位放射線照射(STI)行い治療計画前にDTT撮像おこなっている患者を選択して前記行程の確認を行う。DTT作成については錐体路とする。 1)まずは作成された一連のシステムの検証のため、錐体路の病変による影響の少ない患者を選択して複数の研究者により作成された同一患者のDTTとそのROIに差異を生じないか検証を行う。 2)1)の検証の後、STI前、STI後原則1,3,6ヶ月後(神経症状等に変化があり、臨床的に必要と判断された場合はその都度追加)に経過観察のため施行しているMRIでDTTを作成する。trial ERGO++上でSTI時のCT画像を基準にして各々の時期に撮像されたMRIから作成したDTTとSTI時のDTTについてROIを作成する。これらのsubtraction ROIと線量-効果関係について検討を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
trial ERGO++のDTT作成からROI認識までのプログラムの開発が途上であり、研究協力者の有する開発用PCでの作業が主となり、trial ERGO++を新たにインストールする複数台PC購入を現段階では控えたため。 DTTのROI作成プログラムの検証がテスト用画像で確認された後には、本研究を臨床研究としてスタート予定である。従って検証終了後に必要台数のPC購入予定で、さらにデータ解析のための統計ソフトの研修会等にも使用する予定である。
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