研究課題/領域番号 |
25461924
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
原田 聡 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20244931)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Radiaton / Drug Delivery System / Protamin / Hyaluronic acid / Alginate / PIXE / micro PIXE camera |
研究実績の概要 |
現在まで、我々は、抗がん剤カルボプラチン水溶液にヒアルロン酸とアルギン酸を溶解後、Ca2+-Fe2+水溶液に噴霧することで、放射線によりカルボプラチンを放出するParticleを作成してきた。しかし、径が2μmと大きく、マウスに対し、頸静脈的に投与した場合、肺塞栓や脳梗塞を起こすという欠点があった。 平成27年度においては、Nanoparticleをさらに微細化する目的で、ProtamineとHyaluronic acidをカルボプラチン水溶液中で重合させ、カルボプラチンを含むProtamineとHyaluronic acidのParticleを作成した。作成したParticleの径を光学的顕微鏡とmicro PIXE cameraによるPlatinum分布の画像化により計測した。放射線照射時のカルボプラチン放出は、Micro PIXE cameraによるPt 分布画像化と、定量的PIXE法によるPt放出量により評価した。 結果、Particleの径は742±16 nmであり、従来の2μmよりかなりの微細化が図られた。また、放射線によるカルボプラチン放出も、10 Gy照射時で、78%のParticleが破裂し、放出量としては、65%のカルボプラチン放出が観察された。また、Particleの微細化により、静脈注射時の肺塞栓発生率と脳塞栓発生が焼失した。 平成27年度の実験成果により、頸静脈的にParticleを投与した場合の、放射線照射による薬剤標的療法の実現に大きく貢献した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経る静脈的に投与可能で、放射線により抗がん剤を放出するParticleの作成に成功したため、おおむね順調と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
臨床における、1回の照射線量が2 Gyであることから、臨床応用を効果的に行うため、Particleが2Gy前後の放射線量でも、効率的に起こるよう、Prtomanie-Hyaluronic acid重合時に重金属を添加し、研究を続行する。
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