ヒト非小細胞肺癌細胞H460細胞を用いてin vitroで炭素線照射と抗がん剤併用による細胞致死効果の増感性について検討した。群馬大学の炭素線治療装置を用いて、290MeV/μでSOBPビームを作成し実験を実施した(SOBPビーム中心のLETは50 keV/μm)。カルボプラチン、パクリタキセルの併用いずれにおいても炭素線照射に対して、細胞生残率曲線、細胞増殖能力測定において相乗効果を示すことが明らかとなった。細胞死のメカニズム解析ではアポトーシスとセネッセンスが抗がん剤併用炭素線照射でX線照射時に比べ有意に増加していた。その機序にp21、p53の発現増強が関与している可能性が示唆された。
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